2016年12月15日木曜日

自動運転車が熱い!

いよいよ「誰でも自動運転 Uber を呼べる日」が来た。少なくともサンフランシスコでは。

Uber は以前からピッツバーグで自動運転車の実験を行っていたが、限られた人しか呼ぶことができなかった。サンフランシスコが「誰でも呼べる」初めての取り組みになる。

You Can Hail a Self-driving Uber in San Francisco Starting Today

\

12/15 update:
。。。と思ったら、ローンチから一日もたずにカリフォルニア州からストップがかかってしまった!動画を見てると赤信号で発進してて、超危険。。。

Uber ordered to stop self-driving vehicle service in San Francisco
Uber blames humans for self-driving car traffic offenses as California orders halt

許可取らずに運行してて、かつ危険運転ということで Ed Lee 市長もお怒りです。

Mayor Lee demands Uber obtain permit for self-driving vehicles on SF streets

サンフランシスコの自転車乗りの安全を守る強い味方、SF Bicycle Coalition は自動運転 Uber 開始前のデモに参加し、自動運転 Uber が危険な右折を行っていたのを見て改善要望を出していたのにそれを直さずに Uber がローンチしてしまったと告発。超危険。。。

A Warning To People Who Bike: Self-Driving Ubers and Right Hook Turns

楽しみにしていたのに、準備が非常にお粗末で残念。。。

同じく今週、Google は社内の自動運転車プロジェクトをスピンアウトし、Waymo という独立した Alphabet の一企業となった。


Say hello to Waymo: what’s next for Google’s self-driving car project



Update 12/23: Waymo はホンダと提携するようですね。

ホンダ、Google系列と自動運転共同研究 Waymoと提携、米の公道で実証実験へ

自動運転車の開発競争は加速するばかり。友人が自動運転車の開発を行うステルス会社に転職したので、先日乗せてもらいにいった。

写真・動画は一切禁止だったので載せられないのだが、Uber/Waymo の完成された自動運転車に比べると急ピッチで追いかけている感じで、生々しくセンサーやカメラやケーブルが剥き出しな中、走行しながらたくさんの画面を見て、「自動運転車が自分の身の回りに何があると思っているのか」を解説してもらいながら乗れて、自動運転車の脳みその中を覗いているみたいで非常に面白かった。

Google /Waymo も下記のような動画を公開している。



元 Google の Chris Urmson の TED Talk 「自動運転車には道がどう見えているのか (How a driverless car sees the road)」



さて、もっと生々しくなるにはどうするか。自分で作るのである!

先日、「自動運転車のエンジニアになるには」という勉強会が開かれた。

Becoming a Self-Driving Car Engineer

めちゃめちゃ楽しみにしていたのだが、会社の会議が長引いてしまって、駆けつけたときには残念ながらイベントの終了時間で、講演は終わってしまっていた。が、帰る直前の講師の David との雑談にちょっとだけ参加してきた。

イベント概要:

GoogleもTeslaもNVIDIAも自動運転車を作るための素晴らしいエンジニアを探している。ソフトエンジニアの世界で最もエキサイティングな分野で働くためのスキルを身につけよう!

Companies ranging from Google to Tesla to NVIDIA are on the hunt for great engineers to build self-driving cars. Learn how to acquire the skills to work in one of the most exciting fields of software engineering!

講師紹介:

David Silver は Udacity で自動運転車チームを率いている。このチームでは、自動運転車業界で働けるエンジニアを育てるための 9 ヶ月のプログラムをローンチする。Udacity の前は、フォードでリサーチエンジニアとして働いており、その前は Candidate Metrics, mSpot, と AOL でエンジニアリングとプロダクトの仕事に就いていた。スタンフォード大学の MBA と、プリンストン大学のコンピュータサイエンスの BSE をもっている。

David Silver leads the Self-Driving Car Team at Udacity, which is launching a nine-month program to train engineers to work in the autonomous vehicle industry. Prior to Udacity, David was a Research Engineer at Ford Motor Company. Before Ford, David worked in engineering and product roles at Candidate Metrics, mSpot, and AOL. He has an MBA from Stanford University, and a BSE in computer science from Princeton University.

まず、「Udacity で自動運転車チーム」ってどういうことなの。と思うわけですよ。

Udacity とはいわゆるMOOC( massive open online course)の一つで、オンラインで授業を行うサイトである。ありとあらゆる授業がオンラインにある昨今、自動運転技術の開発についての授業があるのはよくわかる。だが、「Udacity に自動運転車チーム」があるというこの事実が気になったのでどういうチームなのか聞いてみたところ、「授業のコースを作っているスタッフが 12 人ぐらい、自動運転車を作っているスタッフが 6 人ぐらい」。おおーやっぱ自分たちで自動運転車、作ってるんだ。そうだよね、教えるんだしね。 車を買ってきて、"Udacity 自動運転車"を作っていて、9ヶ月のコースを終了した生徒達は、最後に自分たちが書いたコードをこの"Udacity 自動運転車"にデプロイすることができるとのこと。Exciting!

「Self-Driving Car Engineer」のコースには、下記から参加できる。2016年12月15日現在、参加できるのは2017年の2月からのクラスだ。

https://www.udacity.com/drive

シラバスも公開されている。

価格は 3 ヶ月のタームごとに 800ドルで、3 ターム、計 9 ヶ月のコースとなっている。

Announcing the Self-Driving Car Engineer Nanodegree Program from Udacity on Vimeo.

Q: どの程度のレベルのエンジニアを対象としたものなの?

A: 最初の 3 ヶ月は入りやすいようにしてある。言語は Python。
その後はもうちょっと難しくなっていく。言語は C++。

Q: 生徒が週にどのくらい時間をかけることを想定してる?

A: 10時間ぐらいかな。

Q: どうやって参加するの?

A: 月ごとにモジュール式になっていて、 毎月クラスが始まる。10月には500人、11月には1500人が参加した。

Q: 内容は?

A: Deep Learning、Controllers、Computer Vision、Vehicle Kinematics、Sensor Fusion、Automotive Hardware などが主なトピックだ。


この時の講演内容を編集した動画が公開されていたので、興味がある方は下記からどうぞ。




2017年には自動運転車に関するオープンソースカンファレンスを開催する予定とのこと。

We're planning a whole cycle on self-driving cars, including through exploration of Deep Learning, mathematically and via open-source, that will lead to the first open-source conference on self.driving.cars in 2017.




まあ、9 ヶ月コースを取っただけでエキスパートになるのは難しいとは思うが、自動運転車の開発に携わるエンジニアが求められているのは事実で、このコースを作った Sebastian Thrun は「自動運転車の開発を専門とするエンジニアの価値は 1000万ドルに値する」と語っている。

Sebastian Thrun, a former Google employee and Stanford graduate, has stated that an engineer specialized in self-driving cars is “worth” about $10 million.

その根拠として挙げられているのが 2 つの事例:Otto は Uber に社員数 70 人の頃に約 7 億ドルで買収され、Cruise は社員数 100 人で General Motors に10億ドルで買収されている。もちろん買収金額イコールエンジニア(ヒト)だけの金額ではないし、「値する」イコールエンジニアの給料ではないが、自動運転車開発競争が激しい昨今、それを作るためのエンジニアの獲得競争が激しいというのは間違いない。

As Recode notes, two values were given as examples by Mr. Thrun - the takeover of Otto, a company specialized in self-driving technologies, which was purchased by Uber for almost $700 million, when the six-month-old Otto only had 70 employees. The second example presented by Thrun comes from General Motors, which paid $1 billion to acquire Cruise. The latter was a self-driving car startup that wanted to offer an aftermarket system that would have been compatible with some production cars. Since the company had approximately 100 employees at the time, they were rated at $10 million each, since Thrun says that the purchases were more about acquiring talent than only getting technology.

この Sebastian Thrun は元 Google の VP で、自動運転車プロジェクトで開発を行っていた。

ちなみに自動運転車プロジェクトの CTO だった Chris Urmson はこの 8 月に Google を退職したのだが、新たな自動運転車の会社の立ち上げ準備を行っているらしい。

Former head of Google car project to launch his own self-driving rival
Google’s former car guru Chris Urmson is working on his own self-driving company

前述の自動運転車のステルス会社に行ったときも、ラボを歩いていると「彼は元 Google だよ」「彼は元 Tesla だね」という感じで、自動運転車人材は引き抜かれまくっている感じだった。



さて、これだけ自動運転車の開発が進むと、「多くの車が走っている車道にたまたま一台二台、自動運転車が走ってるゾ」という現状から、「車道にはヒトが運転する車と自動運転車がガンガン共存していく」という現実が近づいてくる。一台一台の車単体で考えるのではなく、車と車のコミュニケーション、車と交通インフラのコミュニケーションも合わせて考えていく必要が出てくる。

U.S. proposes requiring vehicles to 'talk' to each other to avoid crashes

米運輸省は、交通事故を防ぐため、全ての新しい車やトラックがお互いに短距離のワイヤレス技術を使って「話すことができる」機能を必須とする提案を行った。

The U.S. Transportation Department on Tuesday proposed requiring all new cars and trucks to be able to "talk" to one another using short-range wireless technology to potentially avoid tens of thousands of crashes annually.

また、連邦高速道路局は車とインフラの間のコミュニケーションに関するガイダンスを発行する予定だ。車が信号などの道路のインフラとコミュニケーションをおこなうことができるようになっていくかもしれない。

Separately, the Federal Highway Administration plans to issue guidance for vehicle-to-infrastructure communications, which will help planners allow vehicles to “talk” to roadway infrastructure such as traffic lights.


私は大学生の頃、日本でマニュアルの免許を取ったのだが、日本では全く運転する必要がなかったためゴールドのペーパードライバーになってしまった。車社会のアメリカに来てからも一度も運転したことがない。私が住むサンフランシスコは、車がなくても生きていける街なのだ。だが、アメリカは新幹線などの交通網が発達している日本と違い、車がないと行けない場所も多い。毎日、自動運転車の普及を喉から手が出るほど心待ちにしている。

12/19 update:

ダボス会議を開く世界経済フォーラム (WEF) が呼びかけ、自動車やIT(情報技術)、保険などグローバル企業27社が参加する「自動運転の実用化を進める世界連合」が発足するとのこと。

自動運転で世界連合 トヨタ・VWなど27社

- 自動車関連企業:トヨタ自動車や日産自動車、ゼネラル・モーターズ、フォルクスワーゲン、BMW、現代自動車、ボルボ・カーなど12社
- 保険:SOMPO ホールディングスや米リバティ・ミューチュアル・グループなど
- IT 関連:スウェーデンのエリクソン、米クアルコムなど
- 政府:スウェーデンとシンガポール政府
- その他:配車サービスの米ウーバーテクノロジーズや物流の米UPSなど

Disclaimer このブログは山崎富美の個人的なものです。ここで述べられていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。