2015年9月8日火曜日

シリア難民の話

Aylan Kurdi 君の写真が世界中で議論を巻き起こし、人を動かしている。

クルド人のシリア難民 Aylan 君は 3 歳だった。家族に連れられてシリアを脱出し、トルコの海岸からギリシャのコス島を目指していたボートが転覆。トルコ南部ボトルムの砂浜に遺体が打ち上げられ、発見された。Aylan 君と母と兄は死亡し、生き残った父親により何が起きたのかが伝えられた。

Syrian toddler's dad: 'Everything I was dreaming of is gone'



Aylan 君一家の故郷はシリア北部のコバニ。シリア内戦の勃発に伴い、ダマスカスに避難していたが、ISIS による戦況の悪化のためトルコへとさらに避難しようとしたが、アサド政権がクルド人の地位を認めていないため、パスポートがなく、困難な密入国の道しかなかった。

中東の情勢は日本からは遠く、実情を理解するには多くの想像力を要する。

だが更に恐ろしいのは Aylan 君が流れ着いたそのすぐ真横には何事もないかのように釣りをしている若者たちがいること。これが、現実だ。

問題とされているのは、海辺のすぐ近くにいた人達の無関心。

下記は 2006 年にカナリー島の浜に流れ着いた難民の写真だそうだが、状況が似ている。


今、難民となっている人たちが悪いことをやったわけでも、特殊なわけでもない。彼らも何年か前までは普通に暮らしていた人々だ。我々自身の生まれる場所、時代、境遇が違えば自分がその立場だったのかもしれない。他人ごとではすまされない。

Refugees Who Could Be Us

Aylan 君を発見した警察官は、「私にも 6 歳の息子がいる。この赤ちゃんを見た瞬間、自分の息子のことを考えたし、もし自分がこの子の父親だったらと考えた。言葉では言い尽くせないほど悲しく痛ましい光景だった」と語る。

Officer who found Aylan Kurdi "I thought of my own son"



シリアの今。

Aylan 君の父親は昨日、Aylan 君達を故郷に葬るためにコバニに戻った。そこで見た家や街は破壊しつくされていた。

Aylan's father: 'This is what my two boys tried to flee'



「僕だってそこにいたらヨーロッパに脱出するために何でもすると思う」


「周辺国はもうシリアの難民を受け入れるのはいっぱいいっぱい」と言われている。これがヨルダンのシリア難民キャンプの今。


UNOCHA (国連人道問題調整事務所)のシリアページによれば、現在人道的支援を必要としているシリア人は 1200 万人、うち 410 万人が国外に脱出している。



この数字は UNHCR (国連難民高等弁務官事務所) のシリア難民ページの人数 408 万人とほぼ合致する。

UNHCR: Syria Regional Refugee Response



この 400万人のうち、約200万人がトルコへ、100万人がレバノンへ、60万人がヨルダンに脱出している。

War has forced half of Syrians from their homes. Here's where they've gone.
UNHCR: Syria Regional Refugee Response - Turkey

多くの人がヨーロッパへの避難を希望しているものの、実現しているのはシリア難民のうち裕福な人たちのみで、たった数%にすぎない。(少し前までは 2% と言われていたが、ここ一週間で恐らく数字は大きく変わったが、それでも恐らくまだ一桁 %)

国連によれば、海外に脱出できず、シリア国内で難民化している人たちも 760万人にのぼるという。



Quick facts: What you need to know about the Syria crisis

ヨーロッパへの道

シリア北部からトルコへ、海を渡ってギリシャへ。(ここで多くの人が溺死している)
更に北上してマケドニアやセルビアへ、そしてセルビアからハンガリーに入り、EU に入ろうとして多くの難民が止められているのが現状だ。


ドイツまで歩いたシリア難民の証言 」を読むと、シリアを脱出し、ヨーロッパにたどり着くのがどれだけ大変なことかがわかる。一歩進む毎に「手配師」達にだまされたり、お金を取られたり。

また、この証言にも出ていた通り、脱出途中で発見されて刑務所に入れられる難民も。下記はハンガリー国内で発見されて拘置所に入れられているシリア難民達の姿。

ハンガリーでは新たな難民法改正が通過。違法にハンガリー国境を犯す者は3年以下の刑務所行きとなりうる。

Hungary Passes Anti-Migration Laws As Refugees Walk Toward Austria From Budapest

ハンガリーはセルビア側の国境を封鎖。更に、セルビア側の国境に有刺鉄線の柵を張り始めた。

Hungary closes Serbian border crossing as refugees make for Austria on foot


怪我を負いながらも有刺鉄線をくぐって入国する難民たち。



ハンガリーは非常事態宣言を発令。



ハンガリーの国際列車が足止めをくい、業を煮やした難民たちがオーストリア国境を目指して 百キロ以上もの長距離を歩き出した様子は世界中で報道された。

Migrant crisis: Hungary migrants start walk to border



なお、それを見て「安全のため」ハンガリー政府がバスを出したものの、乗れたのは一部。多くの難民は 135 キロの道のりを歩いたという。

Refugee crisis: Hungary to bus people to Austrian border after over 1,200 people start 135km walk after international trains blocked

ハンガリーの警官たちは、自家用車で難民たちをハンガリーからオーストリア側に連れて行こうとするオーストリア市民たちに対して「違法だからやめろ」と止めている。

Hungarian Police Prevent Austrians From Taking Refugees Across Border


受け入れ先

問題は行き先だ。

まっさきに立ち上がったのはやはりこの人、ヨーロッパの女帝、メルケル首相。「ドイツでは税金を上げることなく難民を受け入れる」と発言。

Merkel says Germany can cope with refugees without raising taxes
Germany is the first European country to free Syrian refugees from a draconian bureaucratic “trap”

ちなみにさきほどのハンガリーからオーストリアに歩いている人たちの記事にてシリア難民いわく「僕たちは止まらないよ。行き先はドイツだ、僕達のママ、メルケルの元に。」すごいな。ヨーロッパの母、メルケル。
"We won't stop. Our target is to Germany, to our mum, to Merkel."
たくさんの人達が避難途中で命を落とす中、ドイツに辿り着いた難民たちにかけられた恐らく初めての歓迎の言葉 "Welcome to Germany!"を聞いて、世界中で見守っていた多くの人が涙したと思う。



ドイツが立ち上がったことで、国際世論も動く。

9/3 の時点では、イギリスのキャメロン首相は移民受け入れには強硬に反対していた。

UK's Cameron stays tough on refugees, draws Council of Europe criticism

これが世界中から多くの批判を集める。更にドイツとオーストリアがキャメロン首相にプレッシャーを与える。

Take migrants into Britain if you want EU reform: Germany and Austria threaten Cameron over refugee crisis

その結果、キャメロン首相は 2020 年までに 2 万人のシリア難民を受け入れることに。

UK to accept 20,000 refugees from Syria by 2020

だけどメルケル首相自身、この決断により苦境に立たされている。難民受け入れの決断に対する抗議活動、メルケルを裏切り者(売国奴)とする人々もいる。

Refugee crisis suddenly Merkel's biggest challenge

ちなみにオーストラリアのアボット首相は「うちはシリアの難民を受け入れるよ、うちは人道的な国だからね。ただし難民受け入れ割り当て数の範囲内でね。」と発表し、逆に受入数を増やせとプレッシャーを与えられることに。

Tony Abbott says Australia will accept more Syria refugees but within current intake, Peter Dutton to travel to Geneva for UN talks on crisis

Australia under pressure to boost total refugee intake

ローマ教皇フランシスコは全てのヨーロッパの教区に対して難民を受け入れるよう呼びかけた。バチカンもまた難民を受け入れると。

Pope Francis Calls on Parishes to House Refugee Families, Says Vatican Will Do Same

ちなみに日本は。

日本難民協会によれば、日本にも400人以上のシリア人が暮らしており、うち60人以上はすでに難民申請をしていますが、日本で難民認定を得られた人はわずか3人。

特集:シリア難民はいま
400万人を超えたシリア難民。欧米諸国、日本の受け入れ状況は?

Guardian にも「シリアの難民を全然受け入れてない日本」として記事を書かれてしまっていますね。

Japan takes no Syrian refugees yet despite giving $200m to help fight Isis

アメリカも現在は 1,500 人と日本と比べるとだいぶ多いものの、かなり少ない人数であるとの批判を受け、9月10日にオバマ大統領は1万人を受け入れる体制を作ると発表。

How the U.S. is responding to the Syrian refugee crisis





シリアをめぐる国際情勢

最近はロシアの更なる軍事介入があちこちで噂されている。

そもそも論として、ロシアによるアサド政権への軍事支援自体は以前からロシア側もプーチン大統領自身も認めているものだ。

Russia: We never ‘concealed’ giving arms to Syria
US State Dept. nervous about ‘press reports’ of Russian military in Syria

だが、ロシアの更なる軍事介入でシリアの状況が悪化するのではないかという報道が、昨今は見られる。

Russia may be escalating military role in Syria
Kerry: Russia could escalate Syrian conflict

これについてはロシア側は否定している。というか、今までもこれからもアサド政権を軍事支援するということで、全く解決になっていない。

Russia dismisses US concerns over Syria military build-up

9月10日、ロシアがシリアへ軍用品と人道支援物資を空輸を表明。11日にはロシアの戦闘機1000機がシリアに到着。

Russian military planes land in Syria
Russia warns US of ‘unintended incidents’ over Syria

ロシアはアメリカに「シリアに関して協力しろ、さもなくば「予期しない事件が起きるかもしれない」と警告。ロシアとアメリカは ISIS を倒したいという点では利害が一致する。だが、親アサドのロシアと反アサドのアメリカでは相容れない。

Russia to U.S.: Talk to Us on Syria or Risk 'Unintended Incidents'

9月11日、オバマ米大統領はロシアがシリアのアサド政権に対する軍事支援を強化していることについて「大きな誤り」と非難、「破綻が明らかな戦略を追求するべきではないと分からせる」としてロシアに介入をやめるよう要求する考えを明らかにした。

Obama: Russia's strategy in Syria 'doomed to fail
オバマ氏、シリア介入ロシア非難 「大きな誤り」

なお、イギリスはシリアに対するドローン攻撃を強化する計画を発表した。

UK plans more Syria drone strikes, power transition that includes Assad

「イギリスは、シリアにおいて国民の面倒を見ることができる政権が作れるようにする国際的な機構に参加する必要がある。アサドや ISIL は退陣しないといけない。そのためには資金や援助、外交だけではなく軍事行動も必要になるだろう」
“We have to be part of the international alliance that says we need an approach in Syria which will mean we have a government that can look after its people. Assad has to go, ISIL has to go. Some of that will require not just spending money, not just aid, not just diplomacy but it will on occasion require hard military force.”

さんざん難民の話をしてきたが、そもそも論として、シリア国内に平和が訪れ、国民が難民として国外脱出しなくても国内で安心して暮らしていける国に戻れるのが本当はいいに決まっている。難民が発生するその大元の原因を解決しないといけない。当然ながら、これは全く簡単ではない。

シリア内乱は2011年から続いており、始まりはアラブの春に見られる多くの国の状況と同じく、政府の弾圧に対するデモから始まり、政府軍と反体制派の武力衝突に。国連は 2012  年の時点で既にシリア政府軍・反体制派共に人権侵害が行われており、死者数の推計は不可能としていた。

もはや死者数の推計は不可能、シリア騒乱で国連(字幕・26日)

そうした混乱に加え、ジハード主義勢力のアル=ヌスラ戦線とシリア北部のクルド人勢力の衝突、武装したクルド人が政府軍やアルカイダの武装集団を襲撃し、イラクのクルド人自治区のような正式な自治区を作ろうとしていたり、反政権派勢力間での戦闘も起きている。政府軍は ISIS を攻撃しており一部の反政府勢力は ISIS を歓迎する反面、ISIS はシリア市民への暴力や反政府勢力への攻撃も行っており、自由シリア軍などの反政府勢力はアルカイダと協力していたり、協力しているはずなのに攻撃を受けていたりと混乱を極めている。

アサド政権の打倒および ISIS 掃討のためにアメリカを始めとした多国籍軍もシリア領内を空爆し、ロシアはアサド政権を支援しつつ ISIS を攻撃している。更には隣国イスラエルによるシリア国内の軍事基地の空爆(シリアによるレバノンへの武器輸送を阻むため)、戦闘による流れ弾がトルコの街に着弾し、トルコ軍による反撃なども発生。

現在の死傷者数の正確な数字を把握するのは難しいが、Syrian Observatory for Human Rights によれば死者は 33 万人を超え、負傷者や避難者は 1300 万人を超えたとされている。死者のうち 11 万人が非戦闘市民、3.5万人が反体制側の戦闘員、3.4万人がアラブ各国の戦闘員、5万人が政府軍、シリア社会民族党やバアス党などの戦闘員が3.3万人、など。

More than 330,000 people die while about 13,000,000 wounded and displaced since the beginning of Syrian revolution

なお、非戦闘市民の中には女性や子供も多く含まれ、26,000 人の子どもたちが殺され、100,000 人以上の子どもたちが怪我を負っている、と言われている。



アサド政権が特に国際的に非難されている原因の一つは自国の市民たちを虐殺していることで、特に「樽爆弾 (Barrel Bomb)」と呼ばれる爆弾がひどい。

アサド政権の「樽爆弾」が自国民を虐殺する
Amnesty Says Syria Is Defying Ban on Barrel Bombs, Still Using Them in Aleppo



9月11日現在のシリアの状況



Source: CC-BY-SA NordNordWest

9/13 ドイツは、難民が大挙流入していることを受け、国境警備を再強化することを宣言、オーストリアとの鉄道連絡は12時間停止され、入国者の登録手続きを行うとした。これは 「EU 内の自由通行」というシェンゲン協定に反するものだ。

Migrant crisis: Germany to start temporary border controls
ドイツ、移民問題でシェンゲン協定への参加を停止

ただし、メルケル首相は 8/31 の時点ですでにこれを想定しており、公言していた。いわく、ドイツは今年 2015 年に 80 万人の難民が流入してくることを予想しており、ドイツ以外のヨーロッパ諸国が彼らを受け入れることを求め、それが実現されない場合はシェンゲン協定を維持することが困難になるだろうと。いかにドイツといえど、一国で400万人を受け入れることはできない。「ヨーロッパ内で公平な難民受け入れの割当ができないのであれば、シェンゲン協定を守ることが困難になる可能性がある」。私はちゃんとやる。だからお前らもちゃんとやれ、と。

“If it’s not possible to achieve a fair allocation of refugees within Europe, then some people will want to put Schengen on the agenda,” Merkel said during her summer press conference. “That’s not our aim. We want a fair allocation of refugees and then we won’t have to discuss Schengen.”

Merkel warns Schengen could be at risk  - Germany expects 800,000 refugees this year and wants neighbors to take their share.


我々は何ができるのか。

Google.org では International Rescue Committee、Médecins Sans Frontières そして UNHCR に対して 100万ユーロの寄付を決定した。

A donation to humanitarian relief for refugees and migrants

また、500 万ユーロのドネーションマッチングを開始した。皆さんが 500 万ユーロ寄付すると Google が更に 500 万ユーロ寄付し、一緒に 1000 万ユーロが人道支援を行っている NPO に贈られる。

Update: 9/19 現在、皆様のおかげで 1000 万ユーロを達成することができました。ありがとうございました!

https://onetoday.google.com/page/refugeerelief/


贈り先の NPO は以下の通り:
Doctors Without Borders 
International Rescue Committee
Save the Children
UN High Commissioner for Refugees

ブログ記事:Matching your donation to humanitarian relief for refugees and migrants

実はこの記事はつい先日まで Google.org でのチームメイトだった Rita が書いており、彼女はアフガニスタンからの難民で 7 歳の時に国外脱出をし、オランダに亡命し、今は Google 本社で働いているが、当時の彼女の境遇は今のシリアからの難民の人たちと同じなのだ。

お金以外にも何かできることはあるのか。

まずは知ること、そして伝えることかなと思ってとりあえずこのブログ記事を書いている。色々な人達と何ができるか、議論している。正直、我々ができることがとても限られていて、難しい。私には答えがないが、たくさんの頭のいい人達が考えている。

Google Person Finder をローンチしてはどうかという声も大勢から頂いているが、ネオナチが難民キャンプを襲ったりジャーナリストが難民を蹴ったり転ばせたりなどの事件が発生している中、パーソンファインダーをローンチすることはかえって難民の皆さんへの危険を増長する可能性があり、現在は控えている。

Neo-Nazis Tried to Crash a Welcome Party for Migrants and Refugees in Germany



マケドニアの警察が無抵抗の難民たちを殴っている映像。


こういうのは本当に悲しい。反面、同じマケドニアで難民に水や食料を届けている女性の姿も。「彼らは我々と同じ人間よ。我々が彼らの境遇になることだってありえたはず。彼らを家畜のように扱ってはいけない。」


イギリスではこれだけたくさんの市民が "Refugees Welcome Rally" に集った。


この "Refugees Welcome Rally" はロンドン、マドリッド、バルセロナ、コペンハーゲン、ストックホルム。。。と各都市に広がっている。


「あなたはなぜこの #SolidarityWithRefugees の行進に参加したのですか?」との問への回答「私は人間だから」



難民の人達が各地で受け入れられたとして、難しいのはそこからだ。

ヨルダンの難民キャンプを訪れた Paul Collier 氏の記事に、その先への提案が書かれている。かいつまんでまとめておくが、興味がある人はぜひ原文へ。

Beyond The Boat People: Europe’s Moral Duties To Refugees

シリアの近隣諸国に避難した難民たちは働くことを許されていない。受け入れ先の国民の仕事を奪うことになってしまうからだ。その結果、家長が権威を失う。娘達が売春に走り、息子たちがシリアに戻って高い給料を払ってくれる武装勢力に身を寄せるようになる。我々は長期的に、シリア国民がシリアに帰って仕事ができるようになる、そこまで見据えて考えなければならない。

よって、シリア難民がヨーロッパに押し寄せている今から、内戦後のシリアの経済復興と難民たちが戻った時の未来を描かなければならない。紛争後の平和というのは非常に脆弱なもので、仕事が戻るのにも時間がかかる。よって、近隣諸国に仕事を作るインキュベーションを今から始めるべきだ。例えばヨルダンの難民キャンプ Za'atari から10分ほどのところに巨大だけれど空っぽな産業地域がある。インフラも整っている。こうした場所でヨルダン人とシリア人を両方雇用し、シリアではもうできないビジネスをヨルダンで復活させたり、グローバル企業を誘致してヨーロッパ市場に向けて製造を開始する。EU は財務支援と優先的なマーケットアクセスを斡旋する。

シリアに平和が戻ったら、これらのビジネスはシリア人の社員が国に戻るのに伴いシリアに移転しつつ、ヨルダンでもヨルダン人の社員がヨルダン側の経営を継続して営む。ヨルダンとしては、シリア人がヨルダンに永住してしまうのを恐れていたのだが、この仕組なら受け入れやすい上、外資系企業の誘致にもなるので喜ばしいであろう。

こうしたインキュベーションはなるべくシリアに近い国で行うのが重要だ。ボートを使って EU にたどり着ける人々はたった 2% の裕福でかつ命を賭けることができる者だけだ。残り 98% に対する対応策を、こうやって考えていくべきだ。

10/24 追記
Crisis Info Hub がローンチし、Google の難民問題への取り組みについてのブログ記事も公開されました。
An update on our response to the refugee and migrants crisis


関連情報

過去の難民との規模の比較。


なお、中東情勢は非常に複雑で理解するのが困難だ。そんな中、データビジュアライゼーションのプロ David McCandless が作った以下のインタラクティブマップ "The Middle East Key players & notable relationships" が恐ろしくよくできていると思うので下記にシェア。(黒い実線は敵対関係、赤い実線は同盟関係。黒い点線は複雑な関係で、赤い点線は貿易上などでは良好とされている)

Who likes whom in the Middle East? Key players & relationships
複雑すぎる中東関係がすっと頭に入るインタラクティブマップ


Disclaimer このブログは山崎富美の個人的なものです。ここで述べられていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。