2014年2月7日金曜日

Open Government Pledge と市民が公約を作って政治家に誓約させる活動について

今回の東京都知事選挙には間に合わないけど、今後考えてもよいのではないかと思っていること。

以前「科学者に言いたいこと、ないですか?」の話でも書いたのだけれど、〈任せて文句垂れる社会〉ではなく、〈引き受けて考える社会〉にどんどんしていくべきだと思っています。

これを選挙にあてはめると、どういうことか。

今までは候補者が「俺が当選したらこうする」という公約を掲げ、市民はそれを見比べながら投票して、実行してくれるのを黙って待つ。公約違反が起きたら市民は文句をたれる。そこまでシンプルじゃないけど、大袈裟に言うとそういう社会だったと思います。

これの問題は、公約を読んでも何やってくれるんだかよくわかんなかったりする。例えば +Takuya Oikawa さんが都知事候補の防災対策を比較しようとして「2014年 東京都知事選 4候補の防災対策」を作ったのだけれど、比較のしようがなくて比較表が作れなかったという。ここ結構大事だと思うんですよね。

じゃあ市民が考える東京都の理想の防災対策は何なのかを、この候補者達の書いている物から抜粋して、あるいはこの候補者達が書いていないことも入れ込んで、作ってつきつけるのが〈引き受けて考える社会〉なんじゃないかと思います。引き受けて考えるってことはどういうことかというと、各政治家が出している防災対策よりクオリティが高くなければ、作る意味が無い。実現性のない提案、予算的に絶対無理なこととか、プライオリティが低いものまで全部盛り込んでもダメなわけです。市民が脳みそ使って東京都の防災対策について専門家も巻き込んでウンウン唸って考えなきゃいけない。作った防災対策がプロの目から見てどうなのか、検証しながら進めないといけない。それを引き受ける気がないなら、政治家に任せて、公約を見ながら、あるいはその実行を見ながら、市民は文句垂れるだけの社会に戻ってしまう。

オープンガバメントについても、ちゃんと理解して進めている市長もいれば、何も書いていない市長もいる。それを嘆いていても多分ダメで、我々が進むべき道はどっちなのか、わかってない政治家にもオープンガバメントとは何で、なんで重要で、政治家として彼・彼女は何をするべきなのか、それがなぜなのかをちゃんと説明してわかってもらってプライオリティを上げてもらわないといけない。

先日 OpenOakland (Code for America Brigade の Oakland支部)の Civic Hack Night に参加してきたのですが、後で調べてみたら Open Government Pledge for Oakland というプロジェクトがありました。

http://oaklandcandidates.org/

2012 年の選挙の時に、OpenOakland の皆さんが、Open Government Pledge というオープンガバメントに関する誓約を作り、全候補者にサインをするよう促した。もちろん全員がサインしたわけではないのですが、候補者 27 人中 15 人がサインし、当選した6人の議員のうち、4人がサインをしました。サインをもらうことももちろん重要なのですが、同意されないまでも政治家に説明して理解してもらうこと自体も重要なんだと思います。今度また Oakland で選挙があるのですが、その選挙でも同様の Pledge をやるそうです。

Open Government Pledge は、2011 年のサンフランシスコ市長選挙でも 2012 年のホノルルの市長選挙でも行われています。

候補者に公約を書くのを任せるのではなく、市民みずから、自分たちが得意な分野で、理想とする公約を作って、候補者に誓約させる。全方位的に詳しい人間や政治家なんていないので、得意分野がある人達が、最良の提案を作って、それを政治家に提案して、自分の住む街で実現してもらって、自分の住む街をよくしていく。

プログラミング教育についても、ちゃんと理解して進めようとしている政治家もいれば、そんなの重要じゃないと思っている政治家もいる。それを多分嘆いていてもダメで、我々が進むべき道はどっちなのか、わかってない政治家にもどうするべきなのか、それがなぜなのかをちゃんと説明してわかってもらってプライオリティを上げてもらわないといけない。読み書き算盤プログラミングでも書きましたが、今読み書きできなかったら新聞も本もウェブの記事も読めないし、生きていくのが難しい。10 年後 20 年後にプログラミングができないのは、それに似た状況になるのかもしれない。エストニアでも、アメリカでも、イギリスでも、オーストラリアでも、子供達にプログラミングを教えようとしています。

市民が投票だけしてあとは政治家に任せて文句たれているだけだと、市民の求める政策と政治家のやっていることの乖離が激しすぎて、民主主義ってなんだろうって気持ちになります。民主主義を取り戻し、政治家に市民が求めていることを実現してもらうという本来の姿に政治を戻すには、市民がもっと頑張らないといけないんだと思います。公約の話は単なる一例なんですが。頑張りましょう。

Disclaimer このブログは山崎富美の個人的なものです。ここで述べられていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。