2013年2月3日日曜日

Unreasonable at Sea 2013 Tokyo に行ってきた #unreasonableatsea

Unreasonable Tokyo が開催されたので行ってきました。

●Unreasonable at Sea ってなあに?

飢饉、戦争、教育の欠如、貧困、病気、飲料水の洗浄、地球温暖化やエネルギー危機などの、世界にとって重要な問題をどうやって解決していけばよいか。

「Unreasonable At Sea」では、選ばれた 11 社の社会起業家たちを船に乗せ、素晴らしいメンターをつけて、100 日間にわたって世界中を航海して 14 カ国に渡航し、各国の政府高官と交流したり、各国の投資家の前でプレゼンを行ったり、各国の起業家と交流したりすることで、彼らの理想を実現するのを支援するというプログラムです。更には600人の学生も乗せて、体験から学ばせちゃう。

公式サイトはこちら> http://unreasonableatsea.com/

紹介動画:


Unreasonable@Sea 2 Minute Video! from Unreasonable Media on Vimeo.

11 社は世界中から集められました。

Unreasonable at Seat Tokyo 2013

旅程はこんな感じ。アメリカから船に乗り、ハワイに寄って、最初の寄港地が東京。

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普通に考えると船に乗って 100 日間も世界を旅してる暇があったらサービスを改良した方がいいんじゃないって話になるわけですが「リーズナブルなことだけやってても世界は変えられない。アンリーズナブルなことをやって世界を変えよう」と。

そんなアンリーズナブルな会社に選ばれたのはこちらの 11 社。

スタートアップだけで旅しても仕方がないので、彼らを導けるメンターがつきます。20人いて、Megan Smith (Google の Vice President)、Matt Mullenweg (Wordpressの創業者)、Archbishop Desmond Tutu 等がメンターの一部とのこと。




●Unreasonable at Tokyo

さて、Unreasonable at Sea の東京イベントに参加して来ました。参加 8 企業の日本語紹介資料はこちら。(11社中3社は参加できなくなりました)

まず最初に Unreasonable at Sea 創立者兼CEO のダニエル アプスタインの挨拶。

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{ we > i } "we is better than I" 「自分一人よりみんなで」が Unreasonable at Sea のモットー。

Unreasonable at Sea では長ったらしいビジネスプランは書かず、実はこの一枚がビジネスプランとされているそうです。

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かつてアインシュタインは、「前と同じことをして異なる結果を求める方がおかしい」と語っています。変革を求めるなら、前と違うこと。人と違うこと。新しいことをしなければ。

ムハンマド・ユヌスは非常に限られた予算で社会変革を実現しました。2007年には1億の家庭がマイクロファイナンスを使うという目標を立て、2008年に実現。既存の金融機関が目をむく99% のリターン率。180カ国に拡大。それらのレバレッジの秘訣もやはり、起業家精神(entrepreneurship) にありました。

変革を求めるなら、リーズナブルな人より、アンリーズナブルな人に賭けていくべき。

Unreasonable At Sea の信念は "Entrepreneurship can change the world" 「起業家精神は世界を変えられる」です。

Unreasonable なイベントに集まった Unreasonable な人同士(笑)で、会場中で隣近所と自己紹介。

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キーノート1つ目は村上憲郎さんによるスマートグリッドの話
"New Horizon of ICT developerd with Smart Grid -IOT(Internet of Things) and Big data2.0-"

村上さんの記事一覧>村上憲郎のグローバル羅針盤

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インターネットは人をつなぐだけでなく、様々な物をスマートにしていく。

というわけでキーノート2つ目は greenz.jp の鈴木菜央さんの話

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東日本大震災で奥さんの実家が被災。

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高校生の時、阪神淡路大震災が起きた。友達に誘われてボランティアにいったところ、多くの人がボランティアに来ていて、みんなが目の前の課題をクリエイティブに解決していく。対話をし、創発を起こし、奇跡的なことが起きていくのを目のあたりにする。震災の時だけでなく、普段の社会でどうすればそうしたことが起こせるかと考え、greenz.jp を立ち上げた。目指すのは「一人一人が人生の主役になれる社会作り」。

今の社会問題は複雑化しており、原因と結果が乖離しており、何を解決すれば直せるのかがわかりにくくなっている。昔のように一人のスーパーヒーローが解決してくれるのではなく、現代の問題にはたくさんの人の力が必要になる。そういった人たちを増やしたい。

ソーシャルデザインの5つのキーワードは、「創造的」「デザイン思考」「アメーバ型」「コモディティ化」そして「ネットワーク化」。

市民とデザインの力で社会課題の解決を目指すissue+design の事例をいくつか紹介。

●ボランティアの現場で自身のスキルを可視化するための「できますゼッケン

自分が何を出来るかゼッケンに書いて、被災地に行く。阪神大震災での教訓が活かされていないという話がよく出たが、これは阪神で役に立ったので、311の時も利用され、現場はカオスなのでとても役に立ったとのこと。すごくいいですね!!グッドデザイン賞をとって Forbes でも紹介されているようです。

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●大阪のホームレス問題と都市交通の問題を一挙に解決することを目指す「Hub Chari

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シェアサイクルで、何十箇所もサイクルステーションができているとのこと。大阪の活性化や放置自転車などの問題を解決しようとしているようです。

●ワンコイン検診の「ケアプロ

保険に入っていない人でも、500円から検診を受けられる仕組み。


過去1年以上健康診断を受けていない「健診弱者」は、全国に約3300万人。日本の糖尿病・糖尿病予備軍は2210万人。

ムービー「ワンコイン健診の挑戦」を見つけたので紹介。「仕事も保険も家もない。健康なんて考えられなかった」という60歳のホームレスの人にもチャリティ検診。2011年3月、被災地でも避難所を回り、1,000人以上の方の健康支援を実施。「命を救ってもらった。震災で生き延びたんだから、とことん生きなくちゃ」


●HondaとGoogle が協力して公開した被災地の「Google Crisis Response 自動車通行実績情報マップ

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●石巻市牡鹿半島の漁村に暮らすお母さんたちによる手仕事ブランド「OCICA

宮城県石巻市牡鹿半島で男性漁師のサポートをしていた女性たちの中には、震災後、一日中仮設住宅に一人で過ごし、仕事も無く話し相手もおらず困っているという人も。わずかながらでも彼女達に収入をもたらすこと、各々の役割としての仕事をつくること、そして住民同士の交流機会創出によるコミュニティづくり(再生)を目指す。


●化粧品を活用した途上国での貧困層支援「Coffret Project

発展途上国を旅して回って、「一生に一度でいいからやってみたいと思ったことある?」と聞いて回ったら「化粧をしてみたい」という人がいた。日本にいると、お化粧は当たり前のことだけれど、世界にはそれができない人もいる。そこで、そんな途上国の女性にお化粧をするという支援活動をしているそうです。

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「お化粧」という道具を通じて、途上国の女性達に「大切に触られる経験」  「美しいものに心をふるわせる経験」 「やわらかく上質な香りを身に纏う経験」 などを体験してもらう。それを通じて、彼女たちは 「私には可能性がある」 と感じ、その心の変化がもとで挑戦を始めることもあるそうです。

●各回1000人の参加者をのせて世界平和をテーマに世界を回る「Peace Boat

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などなど。素敵な活動がたくさんありますね!

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さて、いよいよ本題です。「Unreasonable スタートアッププレゼン

審査員は元 Google の村上憲郎さん、グロービスの高宮慎一さん、DeNAの川田尚吾さん、スタンフォードのd.schoolの共同創業者 George Kembelさん、そしてGeorgeさんの兄弟のJohn Kembelさんの5人。

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Kembel兄弟の見分けがつかない。。。(^^;;

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●参加企業のリストはこちら・日本語版はこちら

ソーラー調理機 One Earth Designs (中国)

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世界で最もパフォーマンスが良い太陽光調理機を開発(第三者機関認定済)。世界初の温度調節が可能な太陽光調理機でもあるそうです。太陽光のクリーンエネルギーにより、粗悪な燃料や、そこから出る煙によって失われている命(毎年200万人もいるそうです)を救い、二酸化炭素の排出を削減し、女性の時間を効率化し、家庭の経費を節約。

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たくさんのメディアに既に取り上げられています。

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部分的ですがプレゼン動画も。



One Earth Designs のウェブサイトはこちら: http://OneEarthDesigns.com


●植物を利用した水質浄化システム Aquaphytex (スペイン)



化学物質やエネルギーを一切利用せず、植物だけで水質浄化を行なう会社。現在、きれいな水を手に入れることができないことによって20秒に一人の子供がなくなっているという「水の問題」に取り組んでいます。既に 5 カ国以上にこのシステムを導入済みで、この 3 年間で 400万ドルを超える収入を生み出し、30万人に毎日清潔な飲み水を届けているそうです。

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創業者の Pedro さんいわく"I have not been to university- my university is entrepreneurship- doing, doing, doing, doing and dreaming!" 「大学なんて行ったことない。俺の大学はアントレプレナーシップだ!行動、行動、行動あるのみ、そして夢見ることだ!」熱い!

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こちらも少しだけプレゼン動画。



 ウェブサイト: http://www.aquaphytex.es/en/ 


●途上国用の安価な内視鏡を開発した Evolving Technologies 



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発展途上国では、呼吸器、婦人科や消化器など、内視鏡を使った治療に必要な設備と技術者の育成が不足している。そこでEvotechが作ったのは、市場で出回っている製品の 4% 未満で購入できる内視鏡システム EvoCam や、軽くて携帯可能で USB で作動する医療用ライト EvoLight。

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プレゼン動画も少しだけ:



実際の手術の様子を撮影した動画。


ウェブサイト: http://evotechmed.com/



●安価・効率的で安全なコンロを作る Prakti Design (インド)



WHO によると、調理中の火の煙のせいで毎年 160 万人以上の人々が命を落としているそうです。また、農村地域では、女性達は薪集めのために毎週平均 20 時間 を費やし、収入の最大 40% を燃料に使っています。Prakti のコンロは、現地で使われている伝統的な調理法やレ シピ、燃料に対応しつつ、燃料使用量を半減・排煙量を 70% 削減しているそうです。

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プレゼン動画も少しだけ:



ウェブサイト: http://www.praktidesign.com/


● 優秀な教師を作るためのシステムに取り組む Vita Beans Neural Solutions



現在、世界が直面している「800 万人の教師不足」に取り組む会社。優秀な先生を作ればその先生の授業を受ける多くの生徒達の人生が変わる。では「優秀な先生」を作るためにはどうすればいいか。ゲーミフィケーションを活かした教育方法や、教師の訓練、生徒の活動をリアルタイムに把握できるツールなどを提供。

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プレゼン動画も少しだけ:



ウェブサイト: http://www.vitabeans.com/


●太陽光で充電できる安価な補聴器 Solar Ear



世界には現在約6億人の耳の不自由な人がおり、うち 2/3 が発展途上国で暮らしており、補聴器やバッテリーが高価で入手できません。Solar Ear 社では、デジタルプログラミングが可能で、再充電可能な補聴器を開発。市価の10%で購入でき、WHO基準にも準拠。また、世界初の再充電可能な補聴器用バッテリーを開発。太陽光・屋内照明・携帯電話プラグで充電することができ、電池の寿命は 2~3 年で、現在出回っている補聴器の 8割で使用できます。

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ウェブサイト:http://www.solarear.com.br/solar/index.php



プレゼン動画少しだけ:






●産業排気ガスの二酸化炭素でカーボンナノチューブを生成する Damascus Fortune

産業排気ガスや排熱、自動車の排気ガスの中の二酸化炭素を使って、カーボンナノチューブを生成しています。外部エネルギーは不要。こうして作られたカーボンナノチューブは、自動車、宇宙船、建造物、 ノートパソコン、携帯電話などに利用できます。



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ダニエルいわく"These guys are modern day Alchemist (彼らは現代の錬金術師だ)"

。。。と思ったら自分達のプレゼンでも言ってたw

「俺達が作っているのは公害をお金に変えるテクノロジーだ!」


プレゼン動画も少しだけ:



ウェブサイト:http://www.damascusfortune.com/



現場の動画



● 海洋汚染の問題に取り組むためのオープンソースのロボット船舶を開発した Protei 



プラスチックや原油の流出、放射能汚染などによる海洋汚染の問題が多発しています。Proteiは、風力で動き、形状を変えることができ、流出原油やプラスチックを回収し、海洋データを収集することができるオープンソースのロボット船舶を開発。プラグ・アンド・プレイで操作でき、アンドロイドで操作でき、またパソコンや携帯のブラウザでも遠隔操作ができます。

地球の 70% 以上を占める海洋は、人間の活動によってどんどん汚染されてしまっています。ぜひキレイな海を取り戻しましょう!


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プレゼン動画も少しだけ:



ウェブサイト:http://www.protei.org/


ちなみに今回来日できなかった3社は、Innoz、IOU Project、Artificial Intelligence for Blindの3チーム。

審査結果を待つ間、SAP、Microsoft、Nike の3社によるスポンサープレゼン。

Nike Foundationの "Girl Effect"



今回の審査委員を行なっている George Kembel さんは Stanford D.school を作った人。というわけで、d.school の話から少しだけ抜粋。

Unreasonable at Sea 2013 Tokyo

"It's not about design, it's about how to innovate."
"Focus not on innovation but nurturing innovators, and there will be more innovation in the end."

「D.schoolという名前にしたのでデザインの学校のようだけれど、デザインを教えるのではなく、イノベーションを起こしたいと思っている様々な分野の人が集まる『場』が D.school だと思ってる。」「イノベーションを起こしたいならば、イノベーション自体に注目するのではなくイノベーターとなる人を育てることに注力した方が、結果的にはイノベーションが多く起きる。」

さて、気になる優勝の行方は。。。。ソーラー調理機 One Earth Designs!

Unreasonable at Sea 2013 Tokyo

最後に起業家達と審査員で記念写真。お疲れ様でした!

Unreasonable at Sea 2013 Tokyo

NHKニュース:“ビジネスの視点で社会問題の解決を

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