2012年1月30日月曜日

Eurozone Crisis と日本国債の話

CNNのダボス特集の「Eurozone Crisis」というページがすごくよくできている。
Eurozone crisis: How the figures stack up

「失業率、若年層失業率、GDP、成長率、負債の対GDP比率、債権利回り」を選び、グラフで出すのか、グラフで出した場合にソートするのか、あるいはマップ上に表示するのかを選ぶと簡単にビジュアライゼーションしてくれる。例えば。。。

失業率:スペイン、ギリシャ、アイルランドと並ぶ。

若年層失業率:ギリシャが43.5%、スペインは46.3%とすさまじい。若年層の定義は26歳以下。


GDP:一位ドイツ、続いてフランス、イタリア。まあ当然ですね。

成長率:エストニアぶっちぎりとギリシャのマイナスっぷりが飛び出ています。
債権利回り:デンジャーゾーン(赤線)を超えているのはぶっちぎりのギリシャ、続いてポルトガル、アイルランド、イタリア。



負債の対GDP比率:ギリシャが144.9%、イタリアは118.4%。ちなみにマーストリヒト条約によれば、ユーロ加盟において負債の対GDP比率は60%を超えてはいけないことになっていた。その赤線を見事に各国が超えまくっている。

せっかくなのでマップ表示も。


ところで、財務省のデータによれば、 2011年の日本の負債の対GDP比率は212.7%。同年のデータを見ていくと、アメリカ 101.1%, イギリス 88.5%, ドイツ 87.3%, フランス 97.3%, イタリア 129.0%, カナダ 85.9%。。。と日本がダントツでひどい。


なぜこれでも破綻しないかというと、日本国債の海外投資家による保有比率が非常に低いから。2011年9月現在で、6.3%。(アメリカは45.3%)

では、なぜこんなに低いのか。日経ヴェリタス「日本国債の利回りが低い理由 〜潤沢な個人金融資産、経常黒字の「土台」が機能」より引用:
なぜ9割超を国内投資家が保有できたかと言えば、潤沢な個人金融資産安定した経常黒字という2つの「土台」がしっかりしていたからだ。銀行は景気低迷で預金に見合う貸出先がなく、余った資金を国債に振り向けている。財務規制が厳しくなった生命保険も「国債は増やす」(大手生保幹部)姿勢だ。
では、このままでいけるのか。上記記事はこう続く。
ただし、日本独特の国債保有構造を支えてきた2つの土台は確かに揺らぎ始めている。高齢化による貯蓄率の低下と産業の空洞化はボディーブローのようにきき、長期的には、国内資金で国債を消化しにくくなる可能性が十分考え得る。将来、本当に「オオカミが来る」かどうかは、政治が財政再建と税収を増やすための成長戦略をきちんと実行できるか次第だろう。
同じく日経ヴェリタスの別の記事では"日本国債バブル「18カ月以内に崩壊する」 〜米サブプライム危機を予見した男、「日本売り」公言"とまで書かれている。
「日本の公的債務はGDPの229%と世界で最悪です。2011年度の税収はざっと41兆円。これに対し国債の利払いが11兆円にも達しています」

──日本の国債バブルの崩壊はずっと言われてきたことでもあります。なぜ、今なのでしょうか。

 「これまでにない深刻な構造変化が起きているからです。震災後の原発停止で割高な液化天然ガス(LNG)の輸入が急増し、日本は昨年、31年ぶりに貿易赤字になりました。今年も状況の好転は期待しにくいでしょう。自動車や電機などの製造業は拠点をアジアに移しています。生き残りを賭けた企業の動きは、もう後戻りできません。私は14年半ばに日本が経常収支でも赤字になるとみています」
貿易収支の赤字傾向は、去年震災で始まったわけではない。だが、震災の影響は各所に見られる。(グラフのデータソースは日銀。)


この貿易赤字の原因を、日経ビジネスの記事 "日本国債が売れなくなる日〜「2015年、経常収支まで赤字になる」"ではこう分析する:
1ドル=70円台の超円高によって日本の輸出競争力は大きく減殺されている。東日本大震災やタイの大洪水で製造業のサプライチェーンが寸断されてしまったという供給面の制約に加え、欧州の政府債務危機、さらには新興国の景気減速によって、世界経済が再びリーマンショック以来の危機に陥りかねない状況にあるという需要面の悪影響が重なった。

一方、輸入は12%増の68兆474億円。東京電力福島第1原子力発電所事故をきっかけに全国各地の原発が操業停止を余儀なくされ、これを代替する電力源として火力発電所の焚き増しに必要な液化天然ガス(LNG)の需要が急増した影響が大きい。
更に、本日(30日)財務省は2012年度予算案をもとに15年度までの財政状況を予測した「後年度歳出・歳入への影響試算」を発表。

消費税率を15年10月に10%に引き上げても国債残高は21年度末に1000兆円を超えるまで増え続け、21年度の国債の利払い費は20兆円へと倍増する見込みだ。先進国で日本の債務残高が突出している状態は変わらず、社会保障費の抑制など歳出削減が急務であることが改めてわかった。
 消費増税しても国債の残高が膨らむのは、全体の税収が増えても、社会保障の拡充やそれまでに発行した国債の元利払いが税収増より大きいためだ。このため新規国債の発行額も減らない。過去に発行した国債の利払いのために新たな国債を発行する悪循環を断ち切れない構図だ。
消費増税しても社会保障の拡充やそれまでに発行した国債の元利払いが税収増より大きい」orz
 債務危機の南欧諸国と比べても、日本の債務残高は突出している。安住淳財務相は28日の社会保障と税の一体改革の説明会で「国債が市場から売り浴びせられる時代。財政再建に向けて歩まなければ、世界の市場関係者は厳しい対応をしてくる」と語った。

 しかし財政健全化のハードルは高い。最大の焦点が社会保障費の抑制だ。一体改革素案については「社会保障費の抑制に切り込んでおらず、一体改革の名に値しない」(経済同友会の長谷川閑史代表幹事)との声が経済界から出ている。
財政の健全化に向けて、踏み出さないと。財政再建。税収を増やす。財政再建。税収を増やす。

Disclaimerこのブログは山崎富美の個人的なものです。ここで述べられていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。