2011年12月2日金曜日

Israel-Palestine: Going Beyond the Dialogue of Words

旅人時代に、南米を旅していたときに出会った人の中に、多くのイスラエル人がいました。すごく年配で人懐っこいおばあさんもいた。徴兵されて戦闘にいき、その後志願してオフィサーとして続けて軍役を行い、退任後の休暇として旅行に来ているという若者にも会った。「あ、これがついこの前まで戦場にいた人の目なのか」と思った。その子は彼女を連れてきていた。彼女は、イスラエル南部に住んでおり、自分が住んでいる町が爆撃を受けたという。「うちは南だからやられたんだ。エルサレムは北だから、まだ大丈夫。まったく安全。でも、エルサレムに行くなら今のうちだよ、どんどん射程距離が伸びてきているから。」なんていう会話が普通に、南米の安宿で繰り広げられる。こんな平和な日本で暮らしている我々に、何が言えるだろう。

だけど。

"TEDxJaffa - Carol Daniel Kasbari - Israel-Palestine: Going Beyond the Dialogue of Words"




18歳でナザレの家を出て「敵であるユダヤ人」の町、エルサレムに出ていったパレスチナ人のCarolさんは、もちろんたくさんの偏見に出会うし、苦労をする。そしてヨルダン川西岸地区に行き、そこで夫となる人と出会う。もちろん両方の家族は大変難しい思いをする。大変な思いをしてきたが、この大変さは自分のためではなく、人のために貢献できると考え、「対立」に関するコンサルティングやファシリテーションを仕事とすることにした。

彼女からの提案は4つ。

1) Cross the bordersー境界線をのり超えよう

「イスラエル人をパレスチナに招いてみたいんだ」という人がいて、それを実現。
見ること、実際に行くことが相互理解にはとても重要。


相手の立場、コンテキストに立って、物理的に見て、居て、考える。


2) プロフェッショナルに会う。メディアと組む。

Carolさんは Israeli-Palestine Media Forumで、イスラエルとパレスチナの両方のジャーナリスト 45 人を引き連れて、難民キャンプへ連れていき、たくさんのメディアにとりあげられたそうです。メディアの協力を得ることで、世論を味方に得ることができます。ぜひメディアと組みましょう。


3) 自分と意見が異なる人々を自分のサークルに招こう。

定住した人々と会話をしたくないと考えているパレスチナ人や、イスラエル人の右翼や、特定の政党とつながっているパレスチナ人とは話したくないと考えているイスラエル人など、会話が難しい人々もいるでしょう。ですが、自分と同じ考えの人だけと話していては、進みません。「自分の意見に説得されない人々」と対話しましょう。

Carolさんは"Wounded Crossing Borders"というグループのファシリテータを行いました。このグループは、元軍人のイスラエル人と元捕虜のパレスチナ人で、負傷をした人ばかりです。


彼らがお互いに出会ったのは戦場や捕虜として囚われた収容場所。そんな彼らが対話したくないと言っても不思議はない。ですが、彼ら全員に共通していることがありました。それは自分の国、その人々のために自分の命を犠牲にしてきたということ。

戦争で実力を発揮できる人は平和のためにも実力を発揮できる人。彼らはこのイベントから3年もたった今も、ミーティングを持ち、お互いの権利を守るために様々な形で協力しあい、当局から在留許可がとれるように働きかけたり、このグループに参加してくれる負傷兵や元捕虜を増やしているといいます。

4) あなたにとって最も重要な人たちを対話に招こう。

あるパレスチナ人の村人は、イスラエル人と対話をするようになった途端、村のお客さんから総スカンをくらい、事業閉鎖に追い込まれました。生計を立てるためにはなんとかしなければなりません。ここで彼は、イスラエル人との対話をやめてお客さんを呼び戻すのではなく、逆にイスラエル人を村に呼ぶという手に出ます。最初は一人、そして家族を、そして自分の家族や村人たちを招き、右翼や左翼も含めた人々も招きはじめ、村長の家に連れていき、結婚式やお葬式にも招き、村人がイスラエルに、イスラエル人が村に家庭訪問をするようになりました。


イスラエル人とパレスチナ人は今まで対話がなかった。今こそ、みんなで自らの境界線を超え、対話の場を作り、お互いの痛みを理解することが重要なのだと彼女は語ります。


Disclaimerこのブログは山崎富美の個人的なものです。ここで述べられていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。