2011年5月20日金曜日

TEDxTokyo 3 - "LIFE OF PURPOSE"

TEDxTokyo 1 - "HUMAN COEXISTENCE"
TEDxTokyo 2 - "SOLUTIONS" の続編です。

さて、第三セクションのテーマは "LIFE OF PURPOSE "です。スピーカー/パフォーマーは以下の通りです。また、自分と @nobi さんのtweetを参考に、セッションまとめも追加しておきました。Nobiさん、ありがとうございます!

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BLACKさん(@officeblack)は 2001 年にヨーヨーの世界大会の技術部門で優勝。その後一時目標 を失い不調に陥りつつも、シルク・ドゥ・ソレイユの公演「ドラリオン」のビデオに触発されて、クラシック・バレエとジャズ・ダンス、 そしてアクロバティックな技を自らの演技に取り入れるようになりました。2007年には芸術部門でヨーヨーの世界チャンピオンに返り咲き、2009年には シルク・ドゥ・ソレイユのオーディションに合格。シンプルな子どものおもちゃを、優雅で複雑で動的な演技の中心にまで引き上げました。彼が目指すのは、ヨーヨーの素晴らしさを、あらゆるメディアやワークショップ、講演などで広めることです。

ブラックさんは、元はスポーツが嫌いだったそうです。ところが2001年に18歳でヨーヨー世界チャンピオンに。やった、これで大金持ちになれる、と思ったけれど何も起こらなかった。残念ながらヨーヨーはそんなに有名ではなかったのです。そこで世界チャンピオンなのに、サラリーマンになりました。その後シルク•ドゥ•ソレイユのドラリオンのビデオをみて、人々をヨーヨーで楽しませたい、と思い、バレエやアクロバットも学び体の動きを身につけました。スボーツ嫌いだった自分が!と驚きました。そしてシルク•ドゥ•ソレイユを受け、合格。そんなお話の後、実際のパフォーマンスをしてくださいました。動画でお楽しみください!



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水口哲也さん(@mizuguchitter)はゲームクリエイターとして「セガラリーチャンピオンシップ」や「スペースチャ ンネル5」「ルミネス」や「Rez」といったゲームの名作を次々と世に送り出したことで尊敬されています。そして自らがファウンダー&取締役CCOを勤めるキューエンタテインメント期待の最新作 「Child of Eden」では、モーションセンサーの技術と美しい映像、そして音楽とゲームの要素を融合させて、魅惑的な体感型のファンタジーの世界を実現しています。 Eurogamer、Newsarama、Gameproといったゲーム評価サイトがそろって、2010年のエレクトロニック・エンターテイメント・エキスポ(世界最大のゲーム見本市)で最も際立ったゲームとして「Child of Eden」を評価しました。また、バーチャルなリード女性ボーカル・ルミをフィーチャーした水口さんがプロデュースするバンド、「元気ロケッツ」は、チャリティコ ンサートに多く出演し、ゴア元アメリカ副大統領が主催した「ライブ・アース」にも登場。2006年には全米製作者組合と「ハリウッド・リポー ター」誌が、GoogleやYouTubeの創設者と並んで、水口さんをニューメディアの世界におけるプロデューサーそしてデジタル作家としてのイノベーターのトップ50人のひとりとして「デジタル50」に選出しています。

TEDxTokyoでは、その Child of Eden の実演を見せて(魅せて!)くださいました。Kinect を使ったゲームで、水口さんが手を動かすとゲームで光と音が炸裂します。「Kinectがあれば、もうコントローラーはいりません。あなたの体がコントローラーです。」

続く講演タイトルは "POWER OF GAME"。"Synesthesia"は100年前からある言葉で、水口さんは今、この感覚をゲームの世界に持ち込もうと取り組んでいます。いわく、「ゲームは人間の欲望の鏡」。ビデオゲーム業界の歴史は40年で、最初は白黒ドット絵のPONGのような物から始まり、そこに音楽がつき、グラフィックがつき…と進化してきました。では、ゲームの未来は?「高解像度」や「触感」などを使ったゲームはいずれも科学的に可能です。だんだんゲームと現実の境界はなくなっていきます。"Sensorial"-五感を使ったゲーム。例えば平安時代はお香(=嗅覚)で遊んでいました。

ゲームはネガティブなものをポジティブに変えられる力を持っています。例えば "EVOKE" というゲームでは、南アフリカの現状を紹介し、ゲームを通じて問題を認知した3万人が行動に移しました。(EVOKEのトレイラーはこちら)また、電通とUEI(=ユビキタスエンターテイメント)がつくったBANGというゲームも多くの人々の行動に変化を与えました。ゲームで、世の中をよく変えられるはず。これからも挑戦を続けていきたい、と水口さんは語ります。

 

あまりに有名な元気ロケッツの "Heavenly Star"はこちら!

 

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続いてTED Talkとしてアップされた動画 ジュリア・スウィーニの談話 を視聴。会場は爆笑の渦に包まれました。



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西洋人の中で最も日本の消費者の気持ちを深く理解しているとまで言われる程日本への造詣が深い経済学者のビル•ホールさん。ASIマーケットリサーチにいた頃、ホールさんは日本で最初のヘルスケアマーケットリサーチ専門部隊を設立しました。そしてマーケットリサーチの世界から飛び出し、Fortune誌500社に選ばれる製薬会社の日 本支社を含む、二社の代表取締役に就任します。それが評価され、 2001年に21世紀に向けたオーストラリア日本会議に参加する有識者25名に選出されました。現在はオーストラリ ア・ニュージーランド商工会議所やジャパン マーケット エクスパンション コンペティション(JMEC)の代表を兼務しており、現在シノベイト ヘルスケア ジャパンの代表として、ヘルスケア業界におけるマーケットリサーチやコンサルティングサービス を展開しています。

TEDxTokyo での講演では、数々の調査データを紹介しました。まずは関東/関西の比較で、当然のことながら関東の方が余震や放射能の懸念は高く出ているのですが、経済や就労インパクトへの懸念は同じくらいのスコアでした。関東では家族の精神面が心配という人が20%もいました。ただし、家族と過ごす時間が増えたというデータ以外、ライフスタイルへの変化はありませんでした。節電意識やエコへの関心は高まっています。震災時はたくさんの噂が飛び交い、患者達の36%が薬の入手が困難になることを懸念していました。医者への調査、患者への調査などどれを見ても精神面への影響は大きく、解決策をもっているわけではないけれど、みんなで考えていきましょうと結んでいました。



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カルロス・ミランダ・レヴィーさん(@CarlosMiranda) は災害について、どのようにして尊厳やインクルージョンをもって災害を乗り越えるかについて、そして公平な富の分配などについての知識が深い方です。スタンフォード大学のピースイノベーション•ラボとコラボレートしながら、彼は Relief2.0 を作りました。これは官僚制やトップダウンがもたらす地元のステークホルダーと外部からきたボランティアの間の溝を、モバイルテクノロジーやソーシャルネットワークで埋める災害対応モデルです。2000年に CNNはレヴィーさんをラテンアメリカのネット上で最も影響力のある20人に選びました。彼の各種ポータルサイトである教育サイト (educar.org)、 文学サイト (bibliotecasvirtuales.com) そしてラテン語の仮想都市サイト(civila.com) は世界中で400万人が利用しています。国連、世界銀行、米州開発銀行、10カ国もの地方自治体が彼の公共ICT政策や戦略、教育ポータルに関する助言を求めています。彼はまた数々のTEDxイベントを開催しており、TEDxEarthquake9.0 や TEDxPortauPrince をコーディネートしています。

講演タイトルは「危機管理について」。震災で起きたことは我々の責任ではないけれど、震災後に起きたことは我々の責任であると自覚しましょう。日本だけでなくハイチなど他の自然災害でも、多くの人が寄付などをしたにも関わらず、避難所暮らしが続く人がいるのはなぜなのでしょう。21世紀なのだから、なんとか解決策を見つけなければなりません。日本は自然災害が起きたらどうするかの対策は取ってきましたが、自然災害が起きた後に起きることについての対策は取ってきませんでした。

今回の災害に際して、数々の嘘情報が流れました。専門家でないと手伝えない、というのは嘘で、誰でも手伝えることがある。会場には被災地の方がいらっしゃっており、「ゴールデンウィークにはボランティアがたくさん来てくれましたが、ゴールデンウィークが終わったら1/10に減ってしまった」とのこと。専門家以外の方も大歓迎とのこと。食べ物、洋服、薬はいらない•お金だけ送るのがいいというのも嘘で、現地には足りない物がたくさんあり、交通整理した上で救援物資を送る必要があります。「災害復興は第二ステージから」というのも嘘で、復興は災害直後から始まっているべき。被災者の方達はそもそも災害前にプロとしてそれぞれの仕事を誇りを持っていた方々です。「助けてあげ」て全部やってしまうのではなく、被災者の方が尊厳と元の仕事を取り戻して自立できるように支援していくことが大事、とのことでした。



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キョン・ラーさん(@KyungLahCNN)は、CNNの東京特派員として、北海道でのG8サミット、沖縄における米海兵隊の強姦事件や、世界不況による世界第二の経済大国である日本へのインパクトについて取り上げてきました。韓国生まれである彼女は CNN の韓国特集の特番 "Eye On South Korea" でいくつもの取材を担当し、2008年5月に中国四川省の大地震の際には生放送で現地レポートを行いました。CNN Newsource のワシントン特派員であった頃は「Jena 6」反人種差別抗議デモやバージニア工科大学銃乱射事件などの最新ニュースを担当しました。壊滅的な3.11大震災後は仙台市からも報道しました。CNNの前はKNBC、ABC、CBSのレポーターやアンカーとしてカリフォルニアの山火事やコービー・ ブライアント、マイケル・ジャクソンらの裁判を報道してきました。彼女はテレビジャーナリズムはイコライザーとして、世の中にある声なき声や武器を持たない人々の声を含めることにより、大衆へ働きかけ、今の権力者から権力を奪うような力を持つと信じています。

地震が起きたとき、ラーさんは日本のインテリジェント自販機を取材していました。同じ時間、大勢の人々が命を失っていました。その後陸前高田市に取材に行き、そこの病院で聞いた話を語ってくれました。そこの医師は、津波が病院の窓ほどの高さで迫っており、動けない患者を置いて上の階に逃げたことが今も悔やまれると語ったそうです。しかし彼らを助けていたら自らも命を落としていたかもしれません。

石巻の学校では、74人の生徒が波に飲まれました。親をなくし、子供が行方不明だった人を取材していた時、微笑みながら話していたそうです。理由を聞くと「大丈夫ではないけど助かったもう一人の子供が一生懸命大丈夫と言っているので、自分が正気を失うわけにいかない」と。こうした一人一人の物語でも、大変な重みがあるけれど、今日紹介した話は起きている現実の極一部。現実にはその130,000倍の痛みがあります。それだけの人達が、まだ避難所生活をしています。

TwitterやFacebookの台頭で、人々の関心が長く持続しなくなった今、ぜひ遠景だけでなく、ディテールに注意を払って欲しい。なぜなら、自然災害は大声で喚く(=皆に伝わる)けれど、本当の痛みは囁きしかしない。皆さんはちゃんと彼らの声に耳を傾けていますか?

ラーさんの被災地のお話に会場も涙、私も泣きながらTwitter。通訳さんも涙声での通訳でした。。。



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ジェームズ・カーレイさん(@keen)は、「人生はただでさえまじめなのだから、外に出て遊ぶべきだ」と奨励しています。オレゴン州に本社をおく彼の経営する会社KEENでは、クールに創造し、もっと遊び、個人の行動とそれが周囲と地球にもたらす影響について考えるように、「ハイブリッド生活」を提唱しています。KEENは、「Hybridcareプログラム」を通じて世界中の環境活動やコミュニティプロジェクトに参加しており、HybridLifeラジオ、Twitter、他のソーシャルメディアでその「HybridLifeフィロソフィー」活動を追うことができます。カーレイさんはサロモン北米社長であった際、「フリーダムアクションスポーツ」ブームを起こし、ウィンタースポーツとアウトドア業界のブランド構築パイオニアとしての名声を獲得しました。彼のモットーは「あまり真剣に思い悩んだり周りの目を気にしすぎないこと。ただし自分の行動については真剣に!」雑誌Outside Magazine においてKEENが2010年「一番働きたい場所」に選ばれたことは驚きに値しないでしょう。

今回の のテーマ「Entering the unknown」は新しいことでなく、昔からずっと起きていたこと。Beatlesもunknownを追求していました。既知のことはつまらない。未知の世界だから面白い。ちょっと前までは情報のある場所と言えば図書館でした。人々はスマートフォンとソーシャルメディアで、人は本当に賢くなったのでしょうか?「情報の時代」から「質問の時代」に移行して、本当に賢くなりましょう。8歳の子供のように質問をしましょう。質問はとても強いツールです。未知(unknown)なことを質問することで既知(known)なことにしていきましょう。

Reの時代。Re-question, re-invent, re-think , re-define。ハイブリッド ライフの時代。これらは、すべてはシンプルな質問から始まります。そして、シンプルな質問こそが答えかもしれません。情報が溢れている時代より、良い問いが投げかけられている時代の方がよくはありませんか?今まだ問われていない、よい質問はなんでしょう?




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パトリック チャムーソさん は南アフリカの活動家で、2006年の映画「輝く夜明けに向かって」で紹介されたように、抑圧的なアパルトヘイト政権を相手に戦いました。そして今は、エイズウィルスというさらに残酷で容赦ない敵に立ち向かっています。彼は南アを活動拠点とする非営利養護施設「Two Sisters」を通じて、エイズを抱える親のない子どもたちの厳しい現実を明らかにしています。彼の目標は、苦難にあっている子どもたちを支援するための資金を集め、また子どもたちの苦しみを軽減する方法を見つけることに注力するよう、グローバルコミュニティを動かすことにあります。そして、彼の最終的な夢は、エイズの世界的流行をくい止め、撲滅し、貧困や病、破壊的行動の存在しない、ひとつの世界を実現することです。

今回はVisaが降りず来日できなかったのでビデオメッセージを頂きました:



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枝廣 淳子さん(@junko_edahiro)はジャパン・フォー・サステナビリティ(JFS)の創始者兼CEOとして、日本からの情報発信を通じて、世界と日本を持続可能な社会に近づけようという活動を行っています。プロジェクト、イベント、ウェブサイト、メールマガジンなどを通じて、すべての人へのリサイクル、エネルギーと資源の節約の啓蒙、政府、企業への責任ある活動に対する啓蒙活動をしています。JFSのコンセプト「より持続可能な社会が作れるように、知恵や 成功事例、奨励活動を共有するための世界的なプラットフォームになること」の実現を枝廣さんは夢見ています。また、現代社会の経済成長への過度な強迫観念を和らげるために、彼女は幸せ経済社会研究所を設立しました。この研究所のミッションは、「どのような要因、システム的な機能不全、期待していない結果が我々の幸福を妨げるのかを明らか にすること」です。枝廣さんの書籍「朝2時起きで、なんでもできる!」はベストセラーとなっています。

講演テーマは 'De'Generation. 最近の若いものはガッツもパッションもない…という声をよく聞きますが、すべてがそうというわけではありません。これからは「半〜半〜」というライフスタイルも増えてきます。若い世代はそうした新しいライフスタイルや価値を素直に受け入れます。山ガールのように、余った時間で自然などと触れ合う若者も増えています。価値の変化は他にもあります。1) "De-ownership" -「所有」から「共有」への変化。車を売ろうとする自動車ディーラーを尻目に車を所有せずにカーシェアリングを好む若者が増えています。2) "De-materialization of happiness" - 非物質的な幸福の追求。物を所有することよりも人とのふれあい、自然との関わり、そして調和を求める若者達。3) "De-monetarization of life" お金や出世ではない価値の追求。これまでのGDP追求型価値はストレスや痛み、環境破壊などを増やしてきました。もっと、自然と共生できる持続的な生活の追求もしていかなければなりません。De-Generation化して、持続的社会にしていきましょう!



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次世代の日本人ディジュリドゥー奏者スマイリーさん(@smilydidgeridoo)が、初めてオーストラリアの典型的な風の楽器ディジュリドゥーの音を聞いたのはオーストラリアに留学中でした。日本に帰ってきてから「ディジュ」を独習する傍ら、ビートボックス、ドラム、バスリズムを付け加え、想像できないほど多彩な音楽を創りだしました。スマイリーさんは、ディジュリドゥーの魔力とそのビートボックスとの深いつながりに取り憑かれていると語ります。「ディジュ」発祥の国から尊敬を得て、有名な演奏家が集まる Didgeridoo Breath から「すばらしいトリックを教えてくれる信じられないディジュ奏者」と呼ばれるようになりました。スマイリーさんは、ソロアーティストとしてのみならず、 フィンランドのビートボックス奏者のFelix Zenger、英国のジプシースウィングのGabby Youngなど、多彩な顔ぶれのアーティストとのコラボレーションも活発に行っています。また、家業である伊豆、白浜海岸でのペンションの経営もしています。



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続きはこちら:
TEDxTokyo 4 - "FORWARD THINKING"

Disclaimerこのブログは山崎富美の個人的なものです。ここで述べられていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。