2011年5月19日木曜日

TEDxTokyo 1 - "HUMAN COEXISTENCE"

無事 TEDxTokyo 2011 終了しました。皆様、ありがとうございました!

TEDxTokyo 2010 に引き続きスピーカー紹介/動画をまとめました。また、自分と @nobi さんのtweetを参考に、セッションまとめも追加しておきました♪Nobiさん、ありがとうございます!

今年のメインテーマは Enter the Unknown 〜未知への扉〜。3 月 11 日の震災以降、イベントの焦点を変更し、「日本を再建し再生させる現実的で独創的な方法」と、「日本国民の心意気を高める」ことをテーマとし、スピーカーの皆様に講演して頂くことになりました。

まず、第一のセクションのテーマは "HUMAN COEXISTENCE"。スピーカー/パフォーマーは以下の通りです。

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  • まろ, コンテンポラリージャグラー・ダンサー
  • ララ・スタイン, TEDxグローバルディレクター、プロデューサー、パフォーマー
  • ガー・レイノルズ, プレゼンテーションの権威、ブランドコミュニティ専門家、TEDster
  • TED Talk: キラン・ベディ:警察署長としての変革 (ビデオ)
  • 清水 ハン 栄治, ドキュメンタリー映画制作者、メディアプロデューサー
  • ブランド・かおり, オンラインメディアプロデューサー、ドキュメンタリー映画製作者
  • 上野直人博士, 腫瘍内科医、がん研究者、がんサバイバー
  • キャシー松井, トップ日本株ストラテジスト、女性エンパワーメントリーダー
  • 金子竜太郎, 和太鼓奏者、パーカッショニスト
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コンテンポラリージャグラー・ダンサーのまろさん(@JuugEnterprise)のパフォーマンスで TEDxTokyo は始まりました。ジャグリングにアクロバット、パントマイム、そしてジャズダンスやバレエなどを融合した独特なパフォーマンスを繰り広げられるまろさん。



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主催のPatrick Newell からご挨拶。地震で大幅に出演者も予定も変わった今年のTEDxTokyo。でも、震災があってもTEDxTokyoを中止することは考えませんでした。3年前には「Tedさんって誰?」と言われていたくらい知名度が低かったのですが、今年は席が足りない程の人気イベントになりました。「今年はTEDxTokyoにとってティッピング ポイントになる」とPatrick。

TEDxSoweto が StoryScarves と組んで TEDxTokyo 宛のメッセージとスカーフを送ってくれました。メッセージの一部をご紹介します。

"The earthquakes, the sea awakes... and the sun continues to rise. From catastrophe, new friendships seed. We hope that our Scarf of the Rising Sun will wrap you all in our friendship and embrace you in courage for the journey ahead."

地震がおき、海が起きて。。。そして太陽は昇り続ける。災害から新しい友情が芽生える。私たちの Scarf of the Rising Sun があなたを友情で包み、そしてこれからの道のりに立ち向かう勇気で包むことができますように。

ポジティブに、日本を前に進める為に何ができるか、今日はみんなで考えましょう!

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TEDxのライセンス・ディレクターを勤めるララ・スタインさん(@citizenstein)は去年の TEDxTokyo に引き続き来日してくださいました。世界に広がる TEDxの輪。現在、世界中で2,000ものTEDxイベントが開催されています。これが実現できたのはTEDの「極端なまでのオープン性」(radical openness)のおかげ、とララは語ります。TEDx はたった20ページのブランディングガイドがあるだけで、後はそれぞれのイベントを運営するボランティアの方々を信頼しまかせることでここまで広がったムーブメントです。また、TEDxをやっていく中で重要だったのは「コミュニティの人々の声を聞くこと」。地元の人達の声を聞き、心を寄せながら活動してきました。TEDxがなかったら決して聞けなかった話が聞けるようになり、世界中のアイディアのネットワークが生まれた、といいます。



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ベストセラーの「プレゼンテーションzen」で有名なガー・レイノルズさん(@presentationzen)。昨年はリハーサルに参加して、TEDxTokyoのスピーカーへのアドバイスを一人一人行ってくださいましたが、今回はスピーカーとして登壇して頂きます。実は posterous にスライドをポロリされています;) "Sneak peek of my TEDxTokyo talk slides (pic). Watch talks live on Saturday!"

「自然は偉大な先生」と語ります。ガーさんが竹から学んだ9個のこと:
1.竹は強い 2.竹はしなるけど折れない 3.地域に根を降ろし柔軟 4.急かず落ち着いてる 5.いつでも心の準備ができている 6.心を空にするから受け入れることができる 7.いつまでも前進、簡素だからこそ表せるものがある 8.どこでにでもある 9.七転び八起き



Synergy 2009 での基調講演
Garr Reynolds at Duarte Aug '10

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続いてTED Talkとしてアップされた動画「キラン・ベディ:警察署長としての変革」を視聴する予定でしたが時間の都合でスキップされました。

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清水 ハン 栄治さん(@latinsamurai)は世界中を旅して「しあわせ」を追求し、そこで見てきたことを元に映画「HAPPY」をプロデュース。世界中の様々な伝統的慣習、人々のユニークなエピソードに、最先端の心理学と脳医学の科学的発見を絡ませた作品となっています。また、漫画の持つわかりやすさと表現力の可能性を信じ、人権をテーマにマハトマ・ガンジー、ダライ・ラマ法王、マザー・テレサなどの人生を綴った伝記漫画をプロデュース。世界 20 カ国以上、9 言語で愛読されています。

世界で一番幸福な国はバングラデシュ。なぜ自分の国はお金はあっても幸せでないのかと考え、「HAPPY」という映画を作りました。 これまでの心理学は不幸な人をノーマルにすることが目的でしたが、新しいPositive Psychologyの分野は普通の状態の人をハッピーにすることを考えます。日本はハッピーな国でしょうか。ある指標によれば日本の幸福度は先進国で一番低いとも、日本の幸福度は90番目とも言われています。年間自殺者は3万人。失われた10年も、もう2期目。足利時代には金閣寺などが作られましたが、鎌倉時代に虚栄は虚しいという考えが広がり、意図的に抑える文化が広がり、幸福度が増しました。欧米の花がいっぱいの庭園と日本の緑一色の庭の違いにも、それは現れています。今や世界中どこの街も同じになってしまったが、これは人々を幸福にしない。今年のTEDxTokyoのテーマはEnter the unknownだけど、本当は忘れられたものを取り戻すことが重要、と栄治さんは語ります。



HAPPYのトレイラーをご覧下さい。



TEDxSeedsでの講演動画はこちら

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ブランド・かおりさんは国連 大学のバイリンガルウェブマガジンであるOur World 2.0のメインプロデューサーの一人で、気候変動、食料安全保障、生物多様性の損失や石油ピークなど世界中の課題にスポットをあてて映像を作ってきました。また、何年にもわたり、農業・林業、漁業従事者をインタビューし、里山や里海、沿岸域管理についてのドキュメンタリーを制作して行く中で気づいたことをこう語ります。「私たちは自然を従えることはできず、逆に私たちが自然の法則に従わなければなりません―このことは東北の災害とその地域の人々への 圧倒的なインパクトを見ると分かります、と。」

TEDxTokyoでは"Be Connected"「自然とどうつながっていくか」というお話をされました。 90歳以上の高齢の海女さんでも、常に自然とつながり、天候、波模様、貝がどこにいるかなどに敏感でいなければ仕事が務まらない。かおりさんがご出身の金沢では、加賀友禅も野菜づくりも、すべて自然とつながっている。 OurWorld 2.0では、世界を動かすOS(しくみ)を新しくする必要があるということが話された。里山には自然とどう共存するかのヒントがたくさんあります。里山同様に里海にも注目。気仙沼に行って、どうやって漁場を復興しようとしてるかの映像が紹介されました。水はすぐにきれいに戻っているそうです。かおりさんは、今は自然とのつながりを取り戻すべきタイミングだと語ります。



OurWorld2.0のトレイラーは以下からご覧下さい。



トレイラーではなくもっと見たい、という方はこちらにたくさん載せておきます。

日本の海女さん里山1里山2南インドの農業についてのドキュメンタリー動画

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上野直人博士(@Teamoncology)は新世代のがん研究者を育成し、研究主導型の臨床と基礎医学を通じて乳がん患者の苦しみをやわらげることを使命としてがんの研究をしておられます。また、自身もテキサス大学MDアンダーソンがんセンターの医学部教授であった3年前に第2ステージの肉腫を克服しています。患者さん中心のがんのチーム医療を目指すチームオンコロジーのファウンダーです。がんに関わる医療従事者、がん患者、がん患者の家族として自然災害の時になにが出来るかを綴ったブログ記事「地震とがん」。

人は誰でも必ず死を迎えます。このセッションではMutually Empowered Health Care 最良の「医療ケア」を考えよう、と語ります。最良の医療ケアは一つではありません。科学的に考えて出てくるものではなく、一人一人のニーズに合わせて出てくるもの。医師は常に「状態を悪くしてはいけない」という条件の元でケアをしているが、これが必ずしも最良のケアになるとは限りません。

アメリカと日本の最大の違いは患者が持つ力。米国では、医療ケアとは患者自身に力(知識など)を与えることにあります。ところが日本では先生は先生、患者はただ先生に従うだけの人になってしまっています。今回の災害でも医療記録が流れてしまうことで、適切なケアができないこともありました。エンパワーされた患者になるには、情報を得て、よい質問をして、情報を理解すること。すぐキレるモンスター患者になってしまっては意味がない。忘れてはならないのは、感謝する、配慮する、脅さない… 医療ケア。

患者さんは薬をもらうだけでは自分の体で何が起きているかわからない。双方向の医療を目指しましょう。「先生」のいうことを「はいはい」と聞くだけではなく、質問を準備して、聞いてみましょう。どうしたいのか、お医者さんに伝えてみましょう。双方向医療にはコミュニケーションが重要。そして、それには練習も必要。風邪などの軽い病気で練習しておかないと、いざガンのような大きな病気の時に医者に質問をすることができないので、どんどんお医者さんに質問しましょう。



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キャシー松井さん
は過去数度「インスティテューショナルインベスター」誌のアナリストランキングで日本株式投資戦略部門1位に選出されている日本株のトップストラテジストです。また、1999年に発表した研究レポート「ウーマノミクス(女性経済)」では、女性に投資することが、経済を強化し、より公平なグローバル社会をつ くる鍵であると呼びかけました。女性の教育こそが世界平和と持続可能な開発を実現するために我々世代が行える最善の投資であると信じ、 アジアの才能ある女性たちを教育したり、低所得の国々に暮らす女性たちにビジネスとマネジメントの教育を提供したりしています。

関連記事 "Womenomics: Japan’s Hidden Asset" (pdf)

TEDxTokyoでのテーマはもちろん"Womenomics"。日本にある何百万もの構造的問題の多くは人口の半分(=女性)にあります。日本では人口も減り、就労人口も減っている。OECDの調査では日本は子供の人口よりペットの数が多い稀有な国。解決策は3つ。出生率を上げること。移民法を変え、もっと移民を受け入れること。女性の就業率をあげること。今日は3つ目について考えましょう。

日本の特徴「M字カーブ」。日本では就業人口の20代後半と40代に谷があります。これは出産と育児のため。日本は保育がまだまだで、日本の夫は1日に子供と接する時間の平均が15分と世界と比べても大幅に少ない。また、日本にはよいロールモデルがいない。給与格差もある。
企業のパフォーマンスを比較すると、多様性を受け入れている会社が強い。女性が働くと出生率が下がると言われるが、実際には世界の都市で比べても、日本の都市で比べても、その逆。女性の就業率が増えれば、日本のGDPもあがる。そのためにやるべきことは:1.マインドセットを変える。2.フレキシブルな労働体系を推奨しよう。(女性にもその夫にも)また、昇進プロセスに客観性を持たせよう。3.保育と移民の規制緩和4.マスにリーチできる女性のロールモデルをつくろう

そして最後に一言:「ガラスの天井なんてない。厚い男性の層があるだけ」




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金子竜太郎さん(@RyutaroKaneko)は1987年から2007年にかけて、有名な和太鼓集団の鼓童の中心的奏者として世 界ツアーを行い、鼓童の上演曲目を作曲、編曲、指揮しました。日本の伝統的な和太鼓の世界に、「チャッパ」と呼ばれる金子氏がデザインした小さなシンバルなどのパーカッションの要素を持ち込み、音楽家、ダンサー、音楽教師向けのワークショップで披露しつつ、世界中に広めています。



続きはこちら:
TEDxTokyo 2 - "SOLUTIONS"
TEDxTokyo 3 - "LIFE OF PURPOSE"
TEDxTokyo 4 - "FORWARD THINKING"

Disclaimerこのブログは山崎富美の個人的なものです。ここで述べられていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。