2010年6月11日金曜日

クリエイティブ・コモンズ・ジャパンのフェローになりました

このたび、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン(CCJP)のフェローに就任することになりました。


<クリエイティブ・コモンズとは>

クリエイティブ・コモンズ(CC)とは、インターネット時代のための新しい著作権ルールの普及を目指す組織で、サンフランシスコに本部があります。CCが提唱するCCライセンスは、作品やコンテンツを作った作者が自ら「この条件を守れば私の作品を自由に使って良いですよ」という意思表示をするためのツールです。

●作者にとっては著作権を保持したまま作品を自由に流通させることができる。
●使う側にとってはライセンス条件の範囲内で再配布やリミックスなどをすることができる。

ネット上でこんな↓マークを見たことはありませんか?これがCCの主要6ライセンスのマークです。

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<クリエイティブ・コモンズ・ライセンスが生まれた背景>

今までの著作権の考え方では、人の手によって生み出されたすべての著作物は、「All rights reserved」つまり著作権があるので「私の許可なしに使ってはだめですよ」という状態、もしくはパブリックドメインなどのように、「No rights reserved」つまり著作権の保護期間が終了したり、権利が放棄されている状態のいずれかでした。




でも、私も写真を撮ったり、動画を撮ったり、ブログを書いたりする泡沫「クリエイター」の一人なわけですが、私の写真を、「All rights reserved」で使っちゃダメよ!と言いたいわけではありません。私がマチュピチュに行って素晴らしい写真(のつもり)を撮ってきたのを、蔵に入れてとっておいても仕方がない。だったらネットで公開してみんなに見てもらって、使いたい人がいるならそれを使って何かよいコンテンツを作ってくれるならその方がずっといい。でも、せっかく4日も死ぬ思いで山登りして、一生懸命アングルとかも考えて撮ってきた大事な写真を「No rights reserved」で権利放棄してしまうのも嬉しくない。写真を見た人が、ああこれは Fumi Yamazaki という人が撮った写真なんだなあぐらいはわかるように、名前ぐらいはちゃんと明記して欲しいわけです。あと、私は私の写真を誰かが絵葉書にして売るぐらいなら私自身が絵葉書にして売りたい(笑)。でも、自分の名前がちゃんとクレジットとして明記されるなら、自分の写真を絵葉書にして売っても全然いいよと思っている人もいるわけです。

そうしたクリエイターの、自分が作った作品の著作権に対する考え方は、「All rights reserved」と「No rights reserved」の間にある「Some Rights Reserved」で規定していく。その「some」って何があるのかを規定しているのがクリエイティブ・コモンズ・ライセンスなのです。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは下記4つの条件の組み合わせで決まります。

Attribute
表示
NonCommercial
非営利
クレジット(作者の名前等)を表示すること営利目的での利用をしないこと
NoDerivativeWorks
改変禁止
ShareAlike
継承
元の作品を改変しないこと元の作品と同じ組み合わせのCCライセンスで公開すること

私がFlickrにアップしている写真の多くは 「CC-表示-非営利-改変禁止」(一番厳しいCCライセンス)の組み合わせにしていますが、写真によってはCCではなく「 (C)」 つまり著作権保持にしているものもありますし、「CC-表示」(一番緩いCCライセンス)にしている物もあります。人によっても著作権に対する考え方が違うし、同じ人でも作品によってライセンスを変えることもありうるでしょう。重要なのは、作者自身が自分のコンテンツのライセンスのあり方を考えて規定することができることだと私は思います。(逆に言えば作者自身が著作権について考えなければいけないという意味でもあります。)

また、CCは著作権に対抗する考え方ではなく、著作権保持すべきところはすべき。したいところはすべき。だけど、従来の著作権に縛られず、オープンにしたい人にもその選択肢があるべきだと考えています。

あと、私の写真を非商用だけど使いたいという人に毎回毎回打診されていたら、私は28,850枚も写真をアップしてあるので大変です。(実際、ちょこちょこ使いたいという方はいらっしゃってます。)そこで上述の通り私が撮影した多くの写真については、使いたい方は私の名前を入れてくれれば、改変したりお金儲けしたりするのでなければ自由に使ってください、というライセンス「CC-表示-非営利-改変禁止」を私は採用しています :)ただし、著作権放棄ではなくCCライセンスなので、ちゃんと規定に則って使ってください。以前、とある企業の方が行った私向けのプレゼンに私が撮影した写真がばりばり入ってて、何のクレジットも入っていないことがありました。気づかずに勝手に色々な人の写真を使っている会社なのでしょうね。。。「ほら、CCライセンスだからいくらでも使えるんですよ!僕これ撮ってないんですよ!」って大事なのはそこじゃないですから(--;;; CCライセンスは著作権放棄ではないことを改めて明記しておきたいと思います m(__)m

上記説明は「CC-表示」ライセンスで公開されているクリエイティブ・コモンズ・ジャパンのライセンス解説ページより引用・改変しています。
クリエイティブ・コモンズ・ジャパン


<前置きが長くなりましたがフェローになるんですという本題>

私は前の仕事の上司(Joi)がクリエイティブ・コモンズのSF本部の方のCEOだったこともあり、今まではどちらかというとCC本部の人達とのコミュニケーションの方が多かったのですが、このたび日本の特定非営利活動法人クリエイティブ・コモンズ・ジャパン(CCJP)からの依頼でフェローになることが決まりました。フェローというのは、CCJPの活動への参画とアドバイスをする役割とのことで、ITジャーナリストの津田大介さんも同時に就任されるとのこと。CCJPのプレスリリースから引用:

フェロー制度は、CCのライセンスを用いた著作物の多様な利用の促進や著作権をめぐる提言など、CCJPにとってかかわりの深い分野で顕著な活躍をされている方々に、CCJPの活動への参画とアドバイスを頂くことで、より幅広い領域への貢献を実現していく事を目的として設置したものです。
すぐに何をするというわけでもないのですが、日本でのクリエイティブ・コモンズとフリーカルチャーの普及に、何かお役に立てていければと思います :)


<ブログ記事>

前のブログでタグ検索をしてみたら、クリエティブ・コモンズ関係のブログ記事を37本、iCommons関連の記事を26本も書いていたことが判明(笑)かぶっている物もあると思いますが。。。せっかくなのでちょっといくつか抜き出してみます。

●全般

2009年1月:  Charlie RoseによるLawrence Lessigのインタビュー
2008年12月: Joi の LeWeb08での講演。タイトルは"Sharing"
2008年10月: Creative Commons case studiesの紹介
2008年10月: Creative Commonsの「非営利」ライセンスについて考える
2008年9月:  Stanford Engineering Everywhere
2008年4月:  日本での Creative Commons 採用事例集
2008年4月:  Creative Commonsとその意図
2008年3月:  CC+について
2008年2月:  CC NetherlandsのPaul Kellerに私が行ったインタビュー
2007年12月: Creative Commons関連記事の紹介
2007年12月: みんなで街を歩いて写真を撮ってCCライセンスにする「CCphotowalk」
2007年9月:  Creative Commons と事例
2007年9月:  How to select your CC license 「CCライセンスの選び方」
2007年9月:  Creative Commons(のAttribution)について考える

●音楽関連

2008年2月: CCライセンスの音楽を動画に使うには
2008年3月: CCライセンスでの音楽の公開について
2009年1月: NIN’s CC-Licensed Best-Selling MP3 Album

●iSummit関連

2008年7月: DEMOsa3で私がやったクリエイティブ・コモンズとiSummit2008についての講演
2008年9月: iSummit 2008-Joiの基調講演
2008年9月: iSummit2008-Mohamed Nanabhay基調講演
2007年6月: iSummit2007
2007年7月: iSummit 2007 @ BlogTV
2007年7月: iSummit 2007 CCI Legal day とCreative Commonsに関するstatistics公開

匿名ブログの方では2006年1月からCCについて書いていたことが判明。もう4年半も前なのか。。。感慨深い。VOXでは2006年のこれが最初っぽいけどネタがPirates of the Caribbean(笑)

<いくつか写真も紹介>

ちなみにこの方がクリエイティブ・コモンズの提唱者ローレンス・レッシグ先生。

Lawrence Lessig

CCの本部に行くとこんな絵が飾られております :)

Lawrence Lessig

現在は私の元上司のJoiがクリエイティブ・コモンズのCEOをつとめておられます。

Joi

ついでですが、CC関連の人々が日本に来ると大喜びで買っていく飲み物がCCレモン。iSummitのスポンサーをCCレモンに頼めないのかと聞かれたのもよい思い出です(^^;;

CC lemon

上記4点の写真は全て私が「CC-表示-非営利-改変禁止」ライセンスで公開している写真です。
Fumi Yamazaki