2010年5月7日金曜日

TEDxTokyoスピーカー紹介3:村山斉さん

TEDxTokyo大盛況で終わりました。ありがとうございました!
動画・写真をアップデートします :)

我々人類はまだ宇宙の4%しか解明しておらず、残りの96%は解明していない。その96%はわからない「ダークマター」と「ダークエネルギー」でできている。ダークマターによって、すべての宇宙はつながり、ダークマターが重力を生み、星が生まれ、生命が誕生するのだ。だから、「ダーク」は重要=dark matters :) 「ダークマター」つまり知らない物/見えない物をただ恐れるのではなく、その存在を認め、認めることで研究/理解が始まり、研究の結果その「ダーク」をどうやって対処して勝ち取るべきか考えることができる、というお話。

宇宙のダークマターに限らず、どの分野においても同じですね。政治家もITがわからないからといって恐れて蓋をするのではなく、存在を認め、使ってみて理解を深め、どう使いこなして勝ちにいけるかを考えるべきだし、テレビ局もITがわからないからといって恐れて蓋をするのではなく、存在を認め、使ってみて理解を深め、どう使いこなして勝ちにいけるかを考えるべき。もちろんITだけにも限らないけど:)

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(Photo by TEDxTokyo)



日本語版はこちら


TEDxTokyoのスピーカー紹介、三人目は物理学者(専門は素粒子理論)の村山斉さんです。

村山さんの自己紹介はこちら。以下、その中から引用:

星は何で出来ていて、どうして光っているのか?  実際に星のそばへ行ってそのサンプルを採ってきたり、星の中へ入っていって光が出る仕組みを調べたりすることは、もちろんできません。ですが、星から出る光の「色」を詳しく調べ、実験室でさまざまな原子・分子から出る光の「色」と比べることで、サンプルを採らなくても星が何で出来ているかは調べることができました。その結果、太陽を含めて星はほとんど水素でできていることがわかりました。科学ではこのように、直接触ることができない物をなんとかして調べなければならない、ということがよくあります。それでは、その水素がどうして光っているのでしょうか?

手がかりはアインシュタインの有名な式、E=mc2 にありました。物の重さ(m)というのは実はエネルギー(E)だというのです。それで、太陽は自身の重さをエネルギーに変えることで光っているのだろう、ということになりました。だとすると、太陽は毎秒400 万トンも軽くなっているはずです。でも、どうしてこの考えが正しいとわかるのでしょうか?  実は、水素の重さがエネルギーに変わるときに副産物としてニュートリノという粒子が放出されます。日本のカミオカンデでそのニュートリノを捕まえることに成功し、この考え方の決定的証拠が見つかりました。こうして研究者は、光やニュートリノを使う観測、そしてアインシュタインの相対性理論や量子場の理論を総動員することで、直接触ることのできない星の中の仕組みまで調べてきたわけです。

簡単な疑問から始めて、簡易な言葉で、難しい話にぐいぐい導いていくのがすごい。いきなり最初から「素粒子理論」とか「ダークマター」とか「ニュートリノ」とか言われても私立文系女子的には難しいのですが、こうやって説明されるととてもわかりやすいです。

村山さんが初代機構長を務めておられる「数物連携宇宙研究機構(東京大学総長室直属の研究機関。略称はIPMU。公式サイトwikipedia)」は、「宇宙はどうやって始まったのか? 」、「何で出来ているのだろう? 」、「どうして私たちは宇宙に存在しているのか? 」などの素朴な疑問に迫るために発足したそうです。

再び上記自己紹介から引用:

直接宇宙の始まりをやり直すわけにはいきませんし、なにせ「暗黒」のものは目にも見えません。どれも非常に難しい問題です。ですから、IPMUはさまざまな分野(天文、素粒子物理、数学)の第一線の研究者を集め、さまざまな手法を総動員して、共同で問題を解いていこうと考えています。また、人類共通の大疑問を解くには、日本人だけではなく、世界中から研究者を集めて当たっていかなくてはなりません。そのため日本にありながら、IPMUの公用語は英語です。そして新しい物の見方を生み出すためには、頭が柔らかく、ひとつの分野にとらわれない若い力が大事です。

そんなIPMUを率いる村山さんの講演、楽しみです。

以下はバークレーでの村山さんの「E=mc2」についての講演動画(英語)です。




<村山斉さんのプロフィール>
理論物理学者、数物連携宇宙研究機構 機構長

素粒子からダークマター、宇宙が急速に膨張している理由に至るまで、村山は自然界の根幹に関わる謎の解明に取り組んでいます。1991年に東京大学で理論物理学の博士号を取得した後、ローレンス・バークレー国立研究所で上級研究員、カリフォルニア大学バークレー校でMacAdams冠教授となります。同僚の科学者や学会の人々は、彼の明晰な思考、研究スタイル、熱意、ビジョンにインスパイアされました。2007年には、東京大学数物連携宇宙研究機構の創立機構長に任命されました。数学、天文学、そして理論・実験物理学を相乗的に活用し、宇宙がどのようにして作られ保たれるのか、そして私たちがなぜ存在するのかを解き明かすことをこの機構は目指しています。

東大数物連携宇宙研究機構の村山さんのページ
Wired Vision記事:宇宙は「量子流体」――村山斉氏が語る、超伝導体としての宇宙
数物連携宇宙研究機構 拠点長候補ビジョン(PDF)
Wikipedia
バークレー大学のプロフィール(英語)
Twitter @sleptogenesis